薬物トランスポーター遺伝子情報を駆使したリウマチ治療薬の個別適正化使用
Project/Area Number |
20659023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Medical pharmacy
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
家入 一郎 Kyushu University, 大学院・薬学研究院, 教授 (60253473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 豪 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (80423573)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | メトトレキセート / DHFR / miRNA / 血球中内活性 / MTX / グルタミン付加体 / トランスポーター遺伝子 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
本研究を通して、多くの知見が得られたが、薬効に重要なMTX赤血球動態に絞り、成果報告する。遺伝子多型解析の対象はRFC1、BCRP、FPGS、GGHとした。赤血球中のMTX-PG_s濃度と、抗リウマチ効果の指標であり疾患活動性を表すDAS28との関連を検討したところ、MTX-PG_4, PG_5が検出された患者群で重篤率が低かった。MTX-PG_4, PG_5が検出された患者群でスコアが低い傾向が認められ、抗リウマチ効果が高い可能性が示唆された。MTX-PG_4, PG_5は検出されない患者も多く(PG_4 ; 75/145, PG_5 ; 24/145)、これら検出率にも影響因子の存在が推察された。そこで、遺伝子多型及び併用薬についてX^2検定を用い、各PG_s画分検出の有無との関連を評価した。MTX-PG_5の検出率を有意に下げる因子としてRFC1 80G>Aが抽出され、またFPGS 1994A>Gや葉酸の併用によりMTX-PG_4, PG_5の検出率がそれぞれ上がる傾向が認められた。SASPの併用についてはMTX-PG4の検出率を下げる傾向が認められた。 MTX-PG_4, PG_5は赤血球中MTX-PG_s総量が多ければ多く検出されるというものではなく、半数以上の患者において検出されなかった。これはMTX-PG_1からPG_3とは大きく異なる性質であり、またその検出率はMTXの抗リウマチ効果とも関連する可能性が示唆された。グルタミン酸残基の数が3以上のMTX-PG_sは葉酸代謝経路の各酵素の阻害能が高く、MTXの薬効本体と考えられているが、MTXの抗リウマチ効果は、MTX-PG_4, PG_5が生成するかによって決まると考えられる。MTX-PG_5の検出率に有意に下げると要因であるRFC1 80G>Aは、MTXの抗リウマチ効果を下げるリスクファクターと考えられる。一方、MTX-PG_4の検出率を上げる傾向が認められたFPGS 1994A>Gについては、MTXの抗リウマチ効果を上げる可能性が考えられる。SASPについては、MTXと薬物トランスポーターや酵素の基質として競合する可能性のため、併用の影響として各遺伝子多型との関連も考慮する必要があると考える。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)