Project/Area Number |
20659064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Parasitology (including Sanitary zoology)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
有薗 直樹 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 教授 (10079725)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 線虫 / Nippostrongylus / 熱ショック蛋白 / 生存 / 寿命 |
Research Abstract |
Nb-Hsp12遺伝子は、小腸寄生線虫N.brasiliensisのL3幼虫及びTh2依存性排除期の成虫に特異的に発現し線虫の生き残りに関与すると考えられる。昨年度に引き続き同遺伝子の機能解析を行い、以下の結果を得た。 1. ゲノムDNAの解析により、Nb-hsp12を含む1942bpの塩基配列を決定した。本遺伝子はalpha-crystallinmotifs3-6を含み、motif 6に続く3'側配列は非常に短くsmall heat shock proteinの特質を備えていた。 2. 抗Nb-hsp12抗体による免疫蛍光法により、L3幼虫の頭端近傍に反応を認めたが、全虫体内の局在は明らかにできなかった。ウエスタンブロット法では、L3幼虫及び排除期の成虫にのみ12kDa蛋白の発現を認めた。同蛋白はデタージェント非存在下でも可溶性で、単離したクチクラ分画には局在していなかった。 3. 線虫の各種ストレッサーへの5時間の暴露に対して、同遺伝子発現はむしろ減弱した。同遺伝子はIL-13に対して不応性で、IL-13-conditioned IEC-6細胞との共培養に対しても不応性であった。 4. Nb排除期ラット小腸へのNb移植実験では、少なくとも5時間内では、同遺伝子の発現増強は見られなかった。一方L3幼虫では、培養の長期化よる培養環境の悪化に対して発現増強したが、培養環境が極めて劣悪化すると、発現が減弱した。 以上の結果から、本遺伝子は緩やかに進行するストレスに対して徐々に発現増強するが、短時間のストレスに対しては不応性で、一定限度を超えたストレスに対してはむしろ減弱するという特質が明らかとなった。また、本蛋白は易可溶性の細胞質内蛋白であることが示唆された。今後、本蛋白質の虫体内局在の全体像とともに、線虫の生き残りに関与する機序を明らかにする必要がある。
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