Project/Area Number |
20659077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Immunology
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
吉村 昭彦 Keio University, 医学部, 教授 (90182815)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | ヘルパーT細胞 / サイトカイン / TGF-β / 炎症 / アレルギー / 自己免疫疾患 / STAT / シミュレーション |
Research Abstract |
ヘルパーT細胞は免疫制御の中心を担う細胞である。近年、Th1, Th2以外に多くのサブタイブ(Th17, iTreg等)が存在していることが知られるようになってきた。これらのサブタイプの割合が免疫応答の方向性を決定していると考えられている。しかし、ヘルパーT細胞は、各サブタイプが様々なサイトカインを産生すると共に、様々なサイトカインで分化や増殖が促進されたり抑制されたりするので、各サブタイプへの分化は非常に複雑である。そこで、ヘルパーT細胞各サブタイプへの分化のモデル化を試みた。今回は第一段階のモデルとして、細胞内シグナル伝達系の反応の詳細はモデル化せず、サイトカインの各サブタイプの影響により、Th0から各サブタイプへの分化や各細胞の増殖の反応速度を増加(促進)したり減少(抑制)したりするという簡略化したモデルを用いた。このモデルでサブタイプ相互の関係を明らかにした上で、細胞内シグナル伝達系の反応をモデル化する詳細なモデルの構築を行う。シミュレーションの開始時点では、Th0細胞だけが存在し、特定のサイトカインを添加した場合の各サブタイプの細胞数の変化とサイトカイン濃度の変化を計算した。その結果、TGF-βを添加すると、iTregが最初増加するが、3日後以降減少し、Th2が増加してくる。この現象をモデル化するには、iTregのマーカー遺伝子であるFoxp3によって誘導され、iTregの増殖を抑制するたんぱく質が必要であり、そのようなたんぱく質の存在が示唆された。このような個々の実験結果を再現するように各サブタイプへのサイトカインの影響などを初代培養細胞を用いて検証した。その結果、iTregの抑制にIL-4が重要な役割を果たすという実験結果とシミュレーションの結果が一致した。このようなアプローチは免疫応答を予想する新規の試みとして価値があることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)