Project/Area Number |
20659082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Medical sociology
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
杉本 なおみ Keio University, 看護医療学部, 教授 (70288124)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 医療・福祉 / 医療コミュニケーション / チーム医療 / 医療者間関係 / 他職種連携 / 病院職員 / 印象形成 / 職務満足度 |
Research Abstract |
病院職員間のコミュニケーションの重要性は、近年広く認識されつつも、二職種(例:医師対看護師)間比較研究に止まることが多かった。そこで本研究では、対象を他医療職(例:薬剤師)および非医療職に拡大し、職員全般がお互いに対して抱く「話しにくさ」のイメージを調査した。 規模・地域の異なる4病院所属の職員444名を対象に、回答者の職種・経験年数と、相手の職種・職位・状況別「話しにくさ」を問う無記名式質問紙調査を行い、次の結果を得た。 まず、「話しにくい」相手とされる割合が最も高かったのは、医師であった。この傾向は、非医療系(事務・一般職)で特に強く見られた。次に、事務職は部下を、他の全職種は上司を、「話しにくい」相手とする割合が最も高かった。また状況別では「患者家族のクレームへの対応」を選ぶ割合が、職種を問わず最も高かった。 さらに、経験の浅い医師ほど「他医療職と交渉する」場面を「話しにくく」感じる割合が高かった。また、医療系(医師・看護師・他医療職)全般において、経験が浅いほど「話しにくい」場面として「委員会での話し合い」を挙げる割合が高かった。加えて、経験の浅い看護師ほど、薬剤師・検査技師と上司、そして「上司に異議を唱える」場面を「話しにくく」感じる割合が高かった。反面、経験を積んだ看護師ほど、同僚を「話しにくい」相手として挙げる割合が高かった。 一方、非医療系では、経験の浅い事務職ほど「上司に異議」と「医療職と交渉」場面を「話しにくい」とする割合が高かった。これに対し、一般(例:食堂)職員は、経験が長いほど、部下と「話しにくい」と答える割合が高かった。 本調査では、同じ病院職員でも医療系と非医療系では「話しにくさ」の認識に隔たりが見られた。また「患者家族のクレーム」が職種を超えた課題となっている実態も明らかになった。これらの要因が医療現場に与える影響については、今後さらなる研究が期待される。
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