十全大補湯の抗腫瘍効果の分子病理学的解明:新規抗癌剤開発の糸口
Project/Area Number |
20659109
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General internal medicine (including Psychosomatic medicine)
|
Research Institution | Kanagawa Cancer Center Research Institute (2010) University of Toyama (2008-2009) |
Principal Investigator |
高野 康雄 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), 臨床研究所, 所長 (60142022)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 十全大補湯 / 抗腫瘍効果 / SV40・丁抗原トランスジェニックマウス / cDNAマイクロアレイ / 遺伝子発現プロファイル / 抗癌剤 / SV40トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
われわれはSV40・T抗原トランスジェニックマウス(TGマウス)による発癌モデル系において十全大補湯の延命効果を確認した。これをもとに、「十全大補湯の抗腫瘍効果の分子病理学的解明:新規抗癌剤開発の糸口」の課題で挑戦的萌芽研究助成を受けた(平成20-22年度)。十全大補湯は、SV40・T抗原TGマウスに生後4週目から投与を開始した(投与群)。非投与群はSV40・T抗原TGマウスとこのTGマウスの背景マウスのFVBマウスとした。これらを生後8週、15週、25週、32週と経時的に安楽死させ、腫瘍、脾、肝組織からRNAを抽出し、cDNAアレイで遺伝子発現プロファイルを検討した。各群は、最少でも3匹以上を実験に供し、cDNAアレイで遺伝子発現プロファイルの結果を平均し、解析ソフトで検討した。その結果、(1)腫瘍:投与群と非投与群の眼球腫瘍では、cDNA遺伝子発現プロファイルは、有意な変化は認められなかった。(2)脾:投与群では非投与群に比し、pre-Bリンパ球遺伝子、ケモカインCCL21群などの免疫関連遺伝子群の発現が亢進し、MMP9,RAB44,MMP25などの細胞増殖・運動・浸潤の遺伝子群の発現が減弱していた。(3)肝:薬剤代謝に関与するLEAP2、cytochrome P450 family3などが亢進していた。炎症に関するもので亢進したのはHAMPで、減弱したものはケモカインリガンドCXCL14などであった。その他に、SV40/T抗原の細胞癌化に関与するLipocalin2、細胞接着に関与するフィブロネクチン1などが亢進していた。それらの結果をreal-time PCRで確認した。以上の結果を以下のように総括した。(1)十全大補湯投与により免疫能が活性化し、腫瘍の増殖を抑制し、延命効果があったとの単純な仮説には至らないだろう。(2)十全大補湯投与により脾で細胞運動・浸潤の遺伝子群の発現が高度に減弱していた。これは、腫瘍細胞にそれらの遺伝子群を発現させる能力がなく、脾の細胞にそれらの遺伝子群を発現させ、血中に放出された遺伝子産物を腫瘍細胞が利用するのではないか、それを十全大補湯が抑制するとの仮説が成立するか?(3)十全大補湯投与により肝臓で発現の減弱した遺伝子群の科学的・実証的な解析ができない。新たな実験系が必要である。
|
Report
(3 results)
Research Products
(33 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Identification of candidate genes involved in endogenous protection mechanisms against acute pancreatitis in mice2010
Author(s)
Nakada S, Tsuneyama K, Kato I, Tabuchi Y, Takasaki I, Furusawa Y, Kawaguchi H, Fujimoto M, Goto H, Hikiami H, Kondo T, Takano Y, Shimada Y.
-
Journal Title
Biochem Biophys Res Commun. 391
Pages: 1342-1347
Related Report
Peer Reviewed
-
-
-
[Journal Article] Role of CX3CL1/fractalkine in osteoclast differentiation and bone resorption2009
Author(s)
Koizumi K, Saitoh Y, Minami T, Takeno N, Tsuneyama K, Miyahara T, Nakayama T, Sakurai H, Takano Y, Nishimura M, Imai T, Yoshie O, Saiki I.
-
Journal Title
J Immunol. 183
Pages: 7825-7831
Related Report
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-