感染細胞内でHIVコンポーネントの自壊をもらたす機序の解明とその誘導剤の研究
Project/Area Number |
20659159
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Infectious disease medicine
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
満屋 裕明 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20136724)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | 感染症 / HIV / エイズ / HIV蛋白の自壊 / 創薬 |
Research Abstract |
我々は以前、長期間のHAART療法後に治療不応性となった患者由来の多剤耐性臨床分離HIV-1株を用いて、Gag領域の開裂部位周辺に挿入変異が入る事により、薬剤耐性関連変異によって減衰したHIV protease(PR)のGag前駆蛋白に対する酵素活性が改善する事を報告した(Tamiya & Mitsuya.J Virol.2004)。この様なGag挿入変異を有する複数の変異株を細胞にtransfection(TF)しcell lysatesを作成、Gag CA抗体でWestern blotting(WB)を行った所、異常なGag蛋白の変性が起こり、degradation(自壊又は破壊)productsが出現する事を確認した。この結果より挿入変異を有するGag蛋白を分解の方向に進ませる何らかの機序が存在すると考えられ、新たな創薬のターゲットと成り得る本現象の原因について詳細な検討を行った。その結果、本現象はTFに用いる細胞の由来に関わらず、また出芽後のvirion lysatesを用いたWBにおいても認められ、cell lysatesを37℃で定温静置する事で本現象の進行を認めた。阻害剤を用いた実験により、細胞内蛋白分解系であるユビキチン/プロテオソーム系や宿主細胞内PRやオートファジー系、またHIV-1PRは本現象に関与しない事が示唆された。更にPRを不活化した変異株を用いた実験の結果、Gag前駆体の段階では本現象は起こらず、成熟Gag蛋白まで開裂された段階において本現象は起こり、また進行する事が示唆された。これらの結果より挿入変異を有するGag蛋白自身がその構造学的変化により自壊し易くなっている事が推測された。この様なGag領域に挿入変異を有する変異株は、野生株と比較し複製能が著明に低下しており、この結果には挿入変異を有するGag蛋白の構造学的不安定化が関与していると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)