Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Research Abstract |
表皮水庖症に関連する基底膜の構造蛋白は, 互いに密に結合し, 基底膜の安定に寄与している. 代謝経路で連携する酵素群と空間的に連携する基底膜蛋白群の構成は非常に類似する. しかし, 構造蛋白の遺伝子変異によって生ずる遺伝性患に協調的ヘテロ接合の概念持ち込んだ萌芽的研究は内外にはない. 今回の研究の目的は, 同一の代謝経路に連携する酵素の遺伝子におこる協調的ヘテロ接合状態が, 空間的に連携する基底膜蛋白群の遺伝子異常で発症する表皮水庖症に生じているか否かを検討することにあった. BP180, ラミニン5γ2鎖, VII型コラーゲン, 各遺伝子のノックアウトマウスのヘテロ接合体を交配することにより, それぞれの2つの遺伝子がヘテロの状態(BP180/LAM5, BP180/COL7, LAM5/COL7), になるものを作成した. その組み合わせにより, 180/LAM5, 180/COL7, LAM5/COL7の3種の, ヘテロ接合が重なった状態が存在する. さらに交配を重ねることにより, 3つ全ての遺伝子がヘテロの状態のヘテロ接合蓄積状態のマウスを作成した. その結果、肉眼的には、ヘテロ状態の組み合わせでは、水庖などが生じる表皮水庖症の状態は作成できないことが明らかになった。しかしながら、組織学的に観察すると、基底膜にわずかに小さな水庖がみられるマウスも観察され、構造蛋白の遺伝子変異によって生ずる協調的ヘテロ接合が存在する可能性も示唆され、研究の継続が必要と感じられた。
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