16S rRNA遺伝子解析によるプラークバイオフィルム形成機序の個体差の解明
Project/Area Number |
20659329
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Social dentistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 喜久 Kyushu University, 大学院・歯学研究院, 教授 (20192403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 幸江 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教 (30274476)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | バイオフィルム / 網羅的解析 / 16S rRNA / T-RFLP / 齲蝕原性 / 口腔の健康 |
Research Abstract |
歯学部の学生を対象として、齲〓の全くない者を10名、齲〓が多発している者9名の合計約19名を本研究の菌叢解析のための被験者として選出した。各被験者には、下顎に義歯様の装置を作製し、臼歯部頬側面には歯の代替となる焼結体合成ハイドロキシアパタイトのプレートに片側にそれぞれ6枚ずつ装着し、プラークの形成面とした。装置装着後1,2,3,4,5,7日目に装置から1枚ずつハイドロキシアパタイトのプレートを取り外し,溶菌液の入ったチューブの中に浸漬し、超音波処理でプレートからプラークを剥ぎ取り、遠心分離機でプラークを一旦沈殿させ、プレートを除去した。取り除いたプレートにっいては、その表面にプラークの付着が無いことを顕微鏡で確認し、菌を採取したチューブの中にガラスビーズを加えて菌を破砕後、DNAを抽出した。得られたDNAを用いてT-RFLP法によるプラーク細菌叢の分析を行い、プラークの経日的な変化を比較検討した。いずれのプラークも形成後3から4日でプラークの形成量の増加が止まり、T-RFLP法による構成細菌種の分析でも4日以後のプラーク構成細菌種に大きな変化は認められなかった。このことから、プラークの成熟には4日間程が必要であることが明らかとなった。さらに、齲〓なし群と齲〓多発群問では、齲〓多発群が齲〓なし群に比較してプラーク形成速度が速く、形成量も多い傾向が見られた。また、それぞれの群の各プラークでどのような細菌種が大きく変化してsいるかをT-RFLP法によって調べると、プラーク形成4日目のプラークで両群間に大きな差が認められ、それぞれの群に特徴的な細菌種が存在することが明らかとなった(具体的な細菌種名については特許申請前であるので報告書への記載を控えたい)。このことから、プラークの細菌叢全体の構成を捉えることで、齲〓を引き起こし易いプラークを特定することが可能となった。従来、成人における齲〓の感受性を細菌叢として捉えることはできなかったが、本研究の成果によって、細菌叢全体の構成を分析することにより、菌叢の齲〓原性を正確に診断できることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)