Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2010: ¥100,000 (Direct Cost: ¥100,000)
Fiscal Year 2009: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Research Abstract |
本研究は,乳児期における社会的相互作用発達過程を支援する養育行動モデル構築に寄与することを目指して,保育士と乳児および親と乳児の日常の関わり場面から,乳児に対する養育行動発現過程について調査・分析を行った。 保育士および乳児を対象とした調査Iでは,2か月の調整期間と2か月の予備調査期間を経て,2010年5月~11月の期間本調査を実施した。2名の保育士と4名の乳児の協力が得られた。調査時間は保育士が了解した午前の時間帯30分間程度で,状況は授乳・食事やおむつ交換場面が多かった。おむつ交換は保育士が乳児と1対1で関わることができる貴重な機会でもある。保育士はおむつを交換する行為に付随して,見つめ合い,語りかけ,スキンシップをする等複数の感覚モダリティを介した養育行動を行っていた。特に乳児への語りかけは頻繁にみられ,乳児の反応への共鳴や保育士自身の感情表出のみならず,保育士は行おうとする行動について細やかに伝えていた。 対象者を親および乳児とした調査IIについては,2009年3月~2011年3月の期間,母親と乳児7組の協力が得られた。母親の関わり方や見守り方は,乳児の成長・発達に伴い変化していた。また母親は乳児が機嫌よく遊んでいる時に家事などを行っていたが,適宜乳児に視線を向け,声をかけ,乳児と視線が合えばお互いを確認し合うやり取りを行っていた。生後7・8か月頃になると機嫌よく遊んでいる時間が長くなり,乳児の泣き以外の発声に,母親は離れていても視線を合わせ,言葉かけをして応えていた。さらに,乳児の応答的な発声や笑顔,母親の行動を模倣する反応が,母親の快表現やさらなる養育行動の発現を促していた。 データは限られた対象者の自然場面記録から得られたもので,時期,場面や状況等一定でないが,対象者の属性による違いや場面ごとの詳細な分析から保育士と母親の養育行動の特徴についてさらに明らかにし,モデル構築につなげたい。
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