Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
平成21年度は、OR遺伝子のゲノム上での並びの順番が嗅球における糸球の配置に反映されるとの仮説を検証するため、同一配列のMOR28遺伝子ユニットを3つ並べたコンストラクトよりトランスジェニックマウスを作製した。本年度は、このトランスジェニックマウスの詳細な解析を行う予定である。Cre-loxPシステムを用いて、トランスジーンのコピー数を1とすることができる。ORの発現領域がOR遺伝子のゲノム上での並びの順番により制御されているとすれば、全ての遺伝子ユニットは異なるゾーンから発現するはずである。Cre-loxPシステムを用いて、3つのユニットの向きを逆にした際に発現ゾーンも入れ替わるかも検証する。嗅上皮の特定のゾーン内に存在する嗅神経が嗅球上の特定の位置に軸索投射する分子機構は未解決の問題である。これに関して、細胞認識分子をコードするPlexin-A3遺伝子が嗅上皮においてゾーン依存的に濃度勾配を形成して発現していることが判明している。Plexin-A3の嗅神経細胞における発現量が軸索投射位置を規定しているとの仮説を検証する。平成21年度にPlexin-A3遺伝子の単純なノックアウトマウスを解析したところ、嗅神経細胞の軸索投射位置には大きな影響はなかった。これは、嗅神経細胞集団の全体の性質が均質であるため、Plexin-A3の変異の影響が出にくいためと考えた。このため、本年度は、嗅神経細胞の部分集団、すなわちモザイクな集団でのみPlexin-A3が変異型となっているPlexin-A3遺伝子改変マウスの解析を行う。
All 2009 2008
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)
The Journal of Comparative Neurology 513
Pages: 349-362