Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
脳への転移を伴う乳がんの進行は予後不良となるが、その転移機構についての研究は不十分である。乳がん細胞の脳における生存・増殖機構の解析が、脳への転移メカニズムの解明につながると考えられる。中枢神経系における分化を制御するNotchファミリーの活性化が乳がん細胞においても報告されている。Notchの活性化を介して乳がん細胞はグリア細胞と同様に中枢において増殖能を獲得したと考えられる。そこで、本研究の目的はNotchを活性化が乳がん細胞の脳への転移を促進することを明らかにする事である。さらに、NotchシグナルはGlut1の発現を増加させ、グルコースの取り込みが増強される。乳がん細胞はNotchシグナルを介してグルコースの取り込みの増強が行われ、乳がん細胞が脳へ転移すると仮定した。乳がん細胞におけるグルコース依存性を検討するために、ペントースーリン酸回路を阻害する2-デオキシグルコース(2-DG)をヒト乳がん由来培養細胞(MCF-7およびmA-MB-231)の培地に添加し、細胞生存率を検討した。MCF-7と比較してmA-MB-231の2-DGに対するIC50は約5倍高かった。2-DGはグルコースに対して拮抗的な阻害薬である。転移能の高いとされるMDA-MB-231細胞はグルコースの取り込み能が高いことがわかった。転移能の異なる細胞間ではグルコーストランスポーターであるGlutの発現が異なるため、転移能とグルコース取り込み能は相関する可能性が示唆された。
All 2009 2008
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)
Neurobiol. Aging 30
Pages: 325-9
J. Neurosci 28
Pages: 6239-49
日本臨牀2008年増刊「アルツハイマー病-基礎研究から予防・治療の新しいパラダイム-」 66
Pages: 113-119