最終融氷期における北太平洋中層貧酸素イベントと表層環境変動とのリンケージの解明
Project/Area Number |
20710007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
佐川 拓也 高知大, 研究員 (40448395)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 環境変動 / 北太平洋 / 海洋中層循環 / 最終融氷期 / 貧酸素 |
Research Abstract |
北海道十勝沖の水深1200mより採取されたGH02-1030海底コアに関して底生・浮遊性有孔虫殻の化学分析(酸素同位体比, Mg/Ca分析)を行った。GH02-1030コアは既に年代モデルが確立されており, 過去2万4千年前以降の記録を保持している。最終氷期から完新世への移行期である融氷期に保存されている平行葉理と, 海洋表層・中層の環境変化との関係を調べるために, 古水温・古塩分の復元を行った。底生有孔虫のMg/Caは融氷期の約1万5千年前に増加し, 1万2千年前に向けて低下した後, 1万1千年前に再び上昇する。このことは, 中層水の水温が2℃程度の範囲で上下したことを示している。酸素同位体比の結果を合わせて考えると, 水温が上昇した時期には, 同時に塩分も上昇していることが明らかになった。このような水温と塩分が同時に上昇する層準には平行葉理が保存されており, 中層水の溶存酸素濃度が著しく低下したことを示している。一方, 浮遊性有孔虫の分析結果からは, 1万5千年前の平行葉理に先立って表層の塩分が急激に低下したことが明らかになった。過去数十年の観測結果から, 北太平洋中層水の循環強度は表層環境の変化と密接に関係することが示されており, 表層塩分も中層循環に影響を与える要素の一つである。これらのことから, 融氷期の平行葉理の形成は, 表層塩分の低下よって中層循環が弱化した結果, 溶存酸素に富んだ冷たく塩分の低い中層水の供給が低下し, 底生生物の活動を抑制したことで引き起こされたものと考えることができる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)