Project/Area Number |
20730018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public law
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
戸部 真澄 Ritsumeikan University, 法務研究科, 准教授 (60361242)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2010: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2009: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2008: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 不確実性 / 制御 / 環境リスク / 協働 / 協働化 / リスク規制 |
Research Abstract |
本年度は、研究テーマに関する、著書『不確実性の法的制御』を出版した。本著は、不確実性の法的統制論に関する、日本でまだあまり類を見ない内容であり、その学術的意義は高い。 本書では、分析視角として、規制的手法を中心とした「国家による制御」と社会との多様な連携形態を含む「社会による制御」とを設定した上で、両者の機能性と限界、両者の役割分担のあり方を検討した。その結果、不確実性の法的制御には、国家は、事前配慮による直接的な行為命令を中軸として、さらに「社会による制御」による協働を展開し、自己責任の名の下での補完的な義務づけや、行為命令を履行するに適した組織形成の後押し等、トータルに社会に深く入り込む制御をしなければならならず、それを制御領域ごとに細分化しなければならないことが確認された。すなわち、不確実性の法的制御のために、国家は「介入を基軸とした協働」というかたちで制御を精妙化させ、ますます自らを開き社会と密な関係を切り結びつつも、その一方で、あくまで社会を制御する主体として社会との距離を維持し、かつ協働する社会の機能論理に即した「精妙なる制御」を逐一、継続的に施していかなければならないということになる。そして、本書では、こうした「精妙なる制御」モデルを法的に仕組む際に必要となる法的統制論のあり方や機能的な制御を実現するための政策的な機能条件を総論的に提示した。 本書は、規制緩和や小さな政府の動向が進む中で、国家の役割を再定位し、それを積極的に位置づけ直した点にも重要性があろう。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)