Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Research Abstract |
FRPシートは力学性能や耐食性が優れるとともに,シートの外部接着により腐食因子を遮断する効果がある.このため,FRPシート接着工法に期待される補修・補強効果を十分に得るためには,FRPシートーコンクリートの接着性能を確保することが最も重要である.しかし,一般に桟橋上部工などの港湾RC構造物は,海水飛沫による乾湿繰返しの影響を受ける環境下に建設されることが多く,陸上で使われる接着材料をそのまま用いた場合,補修・補強効果が十分に得られない懸念がある.また,繰返し荷重が作用する部材においては,長期的に接着性能が確保されているかどうか未だ明確でない部分もあり,補修・補強効果の持続性について明らかにすることが重要である.そこで本研究では,荷重と乾湿繰返し複合作用下におけるFRPシートとコンクリート界面の接着性能評価手法を提案し,FRPシートによる補修・補強効果の持続性について検討を行った.以下のような研究成果が得られた: (1)コンクリート表面が湿潤状態の場合では,プライマーのコンクリートへの含浸層が薄くなることを確認したが,特殊なプライマーの使用により,FRPストランドシートとコンクリートの付着性能の低下が抑制可能であることを確認した.さらに,非線形接着材を使用することで,シートとコンクリートの付着性能が著しく改善できることを確認した. (2)湿潤な使用環境がFRPとコンクリート界面の接着の耐久性に及ぼす影響を調べるために,高温海水による乾湿繰り返し促進劣化試験を実施し,促進暴露後の界面の接着性能の経時変化を調べた. (3)非線形な材料特性を持つ接着材(以下「非線形接着材」とする)の使用により,FRPシートの付着性能が向上し,曲げ補強の効果が向上することを確認した.また,FRPストランドシートと非線形接着材のハイブリッドの使用によって,FRPシートで曲げ補強したRC部材の終局強度の増加および変形能力の向上が図れることを確認した. (4)非線形接着材および線形な材料特性を持つ接着材のハイブリッド使用によって,FRPシートとコンクリート界面との付着性能がハイブリッド的に向上することが確認できた.つまり,FRPシートで曲げ補強したRC部材の使用状態の要求性能(ひび割れの制御性能)の向上と終局状態の要求性能(部材の終局強度と靱性)の向上が同時に図れることが確認された.
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