Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
申請者が最近新たに同定したCrip2蛋白は、Wntと強調的に働くT-Box型転写因子Tの標的であり、脊索細胞内で90秒サイクルの集積/分散を繰り返していた。このような蛋白の集積振動(オシレーティング蛋白局在)メカニズムはどのようなものであるか。細胞外からのシグナルを、オシレーティング蛋白局在として表現する「オシレーション誘導・維持メカニズム」を、細胞生物学・情報学(バイオインフォマティクス)の両面から明らかにすることを目的とした研究を行った。結果1. Wnt制御因子としてのCrip2の役割を解明したCrip2はWnt依存的にJNKを活性化する。一方、活性化されたJNKは接着班の動的形成に重要なPaxillinと結合し、それをリン酸化する。Crip2がPaxillinと結合するデータも得ているので、Wnt/Crip2経路は、JNK/Paxillin/細胞移動へと繋がっていくと考えられる。本研究ではJNKの活性化とPaxillinのリン酸化を調べたが、リン酸化の変化は確認できなかった。しかしながら、Crip2強制発現マウスを作製し、in vivoでの共局在を高解像度で解析した結果、Crip2はPaxillinは、Forcal-contactでは結合するが、さらに移動端に近い部分ではCrip2がPaxillin非依存的に存在していることがわかった。結果、Crip2はPaxiillin依存的なForcal-contactの安定性を誘導することが明らかとなった。2. 細胞移動におけるCrip2の役割Crip2は、細胞移動端においてオシレーティング蛋白局在することから、脊索内におけるDvl2、JNK、Paxillinの集積をin vivo分子イメージングにて検討したが、解像度等によるテクニカルな問題をクリアできずに、その確認は出来なかった。3. 転写因子(転写制御因子)Crip2の機能解析B-cateninの標的配列をレポーターにしたTOP-fiashによるルシフェラーゼアッセイを行った結果、β-cateninの転写活性を抑制する機能を持つことが分かった。
All 2008
All Presentation (1 results)