がん抑制遺伝子産物TSLC1による膜輸送制御とその細胞増殖抑制への意義の解析
Project/Area Number |
20790072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
西谷 直之 岩手医科大学, 薬学部, 講師 (10286867)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 癌 / シグナル伝達 / 細胞・組織 / 発生・分化 / 薬学 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
カドヘリンによる細胞間接着の低下はβカテニンの核内機能を亢進し、細胞のがん化に寄与する。申請者は膜輸送制御因子ARF GTPase activating proteln(ARF-GAP)の一つであるGIT1ががん抑制遺伝子産物TSLC1と複合体を形成することを見出した。本研究では、「TSLC1がカドヘリンの膜輸送を制御することによって、βカテニンによるがん化シグナルを抑制する」という仮説の検証を目的とし以下の実験を行った。 1.TSLC1とGIT1による細胞増殖シグナルの抑制 TSLC1とGIT1の変異体、遺伝子ノックダウン、阻害剤を用いて各因子の機能を制限したところ、TSLC1とカドヘリンの細胞表面への局在や細胞間接看の安定化にはARF-GAP活性が必要なことが明らかとなった。また、TSLC1のノックダウンによって、βカテニン/TCFによる転写活性が亢進することがルシフェラーゼアッセイで確認された。さらに、細胞増殖への影響もMTTアッセイで評価した。高密度培養条件下では、TSLC1ノックダウンによって細胞増殖が亢進した。一方、低密度培養条件下では、逆に増殖が抑制される傾向にあった。細胞密度による増殖と生存の制御は今後の研究課題とする。 2.TSLC1とGIT1のin vivo上皮系組織構築への関与 上皮系組織構築へのTSLC1とGIT1の相互作用の重要性をゼブラフィッシュ胚の側線感覚器官形成を指標に評価した。TSLC1とGIT1の変異体や遺伝子ノックダウンを用いて各因子の機能を制限し上皮組織構築への影響を観察したところ、TSLC1とGIT1が協調して上皮組織構築を制御することが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)