Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究課題は「熱帯熱マラリア原虫における膜輸送蛋白質の同定と機能解析」と題し、特にヒト・マラリア原虫(Plasmodium falciparum)の赤血球内寄生時における原虫外膜系の形成機構と血球膜へのタンパク輸送機構を分子(蛋白質)レベルで解明することを目的として研究を遂行してきた。平成20年度はその中でも特にこれまで明らかにしているN-ethylmaleimide-sensitive factorのマラリアホモログ(Pf NSF)が原を足がかりにいくつかの原虫由来の膜融合装置関連蛋白質について同定することを目指した。昆虫細胞を用いた強制発現系を用いてマラリアNSF(Pf NSF)を大量に発現させ、特異的抗体を駆使し膜融合装置関連蛋白質の候補を選び出した。これらの蛋白質の同定、生化学的、構造生物学的解析を行っていくことを考えている。さらに、赤血球内に寄生維持するマラリア原虫をこれら小胞輸送系を用いて簡便に検出できないかと考え、血中の特定蛋白質(バイオマーカー候補)の検出を念頭におき、簡便なバイオマーカー検出系の確立を試みた。その結果、極微量の全血をから血中のアミラーゼ活性を測定する方法を確立するにいたった(Maeda et al. 2008 Electrophoresis)。平成21年度は昨年度より解析を進めているN-ethylmaleimide-sensitive factorのマラリアホモログ(Pf NSF)が原を足がかりに昆虫細胞を用いた強制発現系と特異的抗体を用いていくつかの原虫由来の膜融合装置関連蛋白質についていくつか候補タンパク質を見いだした(sec23ホモローグ等)。これらが本当に原虫とヒトの種の間の行き来に関与するのか?またその小胞輸送をコントロールしているのか?さらに今後はこれらの蛋白質の遺伝子とGFPを融合した遺伝子をマラリアに発現させる系を構築し、蛍光顕微鏡下で可視化する。合わせてマラリアに特定のプラスミ遺伝子を発現するプラスミドを把持したものを簡便に検出できないかと考え、プラスミドへのライゲーションをマイクロチップ電位泳動装置を用いて確認する方法を確立した(Umemoto et al. 2010 JPharm Biomed Anal.)。今後これらの原理を応用しつつ特定の遺伝子(プラスミド)を保持したマラリア原虫の検出を行いたい。
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All Journal Article (8 results) (of which Peer Reviewed: 8 results) Presentation (7 results) Book (1 results) Remarks (3 results) Patent(Industrial Property Rights) (4 results)
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J Pharm Biomed Anal. 50(5)
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10023999782
ANALYTICAL BIOCHEMISTRY (in press)
電気学会誌(C) 129(2)
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