Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
1) 肝細胞がん/Hepatocellular carcinoma(HCC)におけるBmil発現の検討Bmil mRNAの発現を5種のヒトHCC株を用いて定量的PCR法により検討を行った結果、全ての細胞株でBmil mRNAの発現が認められた。さらに蛋白の発現レベルをウエスタンブロット法で検討したところ、ほぼmRNA同様の発現パターンが認められた。最も発現の高い細胞株は高分化型肝細胞がん由来の細胞株であった。次に16症例のHCC臨床検体試料を背景の非がん部とがん部からサンプリングし、定量的PCR法にて検討した。その結果、がん部でのBmil mRNAの発現増加が統計学的な有意差を持って認められた。病理組織学的検討として100症例のHCC臨床検体試料を免疫組織化学染色法で検討したところ、ほぼ全例にBmil蛋白の発現が認められた。特に早期肝がん、ないし高分化型肝がんにおいてもBmil蛋白の高発現が認められる傾向を示した。また、背景の非がん部肝細胞ではその発現は見られなかった。このことからBmil分子は早期肝細胞がんを診断するマーカーとして病理組織学的診断への応用が可能であると考えられた。Bmil蛋白の局在については、免疫電子顕微鏡法による検討で、核クロマチン上に最も強い発現が見られ、一部で凝集する様に存在が認められた。2) Bmil過剰発現およびノックダウン細胞による機能の検討レトロウイルスベクターによりヒト由来初期培養肝細胞へ恒常的なBmilの過剰発現系を用いBmilの生物学的な意義の検討を行った。その結果、コントロールに比較し約倍の80日まで細胞増殖が見られた。しかしながら細胞の不死化は認められなかった。この結果からBmil分子は肝細胞において、がん化の早期プロセスに関与している可能性が示唆された。
All 2009 2008
All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (1 results) Book (1 results)
Lab Invest (in press)
Clin Cancer Res (in press)
Am J Pathol 173
Pages: 835-843
Intervirology 51
Pages: 42-45