Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
<研究の全体構想及び目的>胚性幹細胞(Embryonic stem cell,ES細胞)は、体内の全種類の細胞に分化することが出来る細胞株である。申請者らはこれまでにマウスES細胞を用いて蓄積した細胞分化及び遺伝子発現制御に関する経験と知見を活かし、ヒトES細胞へと発展的に応用することによって、実用的な心筋・心血管系細胞の医用心筋細胞材料の開発を目指している。<H20年度の研究成果>1)ヒトES細胞から心筋・心血管系細胞への系統的分化誘導技術の構築ヒトES細胞およびマウスiPS細胞を用いてin vitroで分化誘導することに成功した。2)RNAi技術による遺伝子発現抑制実験系の構築(loss-of-function system)タモキシフェンの添加によりES細胞の任意の分化段階においてshRNAを発現し、標的遺伝子の発現を阻害することのできるES細胞対応のshRNA発現システムを構築した。3)薬剤誘導性の遺伝子過剰発現実験系の構築(gain-of-function system)テトラサイクリン誘導性にcDNA発現を誘導できる(Tet-OFF)ES細胞システムを構築した。4)特定部位への遺伝子導入方法の確立ES細胞では、分化誘導中に導入した遺伝子の発現が抑制されるという問題がある。そこで分化後もサイレンシングされにくいDNA領域に、効率よく遺伝子が導入できる実験系を確立した。