Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
1. 膜型TNFの細胞表面への表出機構の解析 : ヒトJurkat T細胞にTNF変換酵素によって切断を受けない変異型ヒトTNFを遺伝子導入し、膜型TNFを安定して発現するヒトT細胞株を作製した。マウスのマクロファージにおいてTNFの細胞表面への表出に必須ということが報告されているSNAREファミリー分子Vamp-3を膜型TNF発現細胞に遺伝子導入し、膜型TNFの発現レベルについて検討を行った。Vamp-3を導入するとマウスのマクロファージでみられたのとは対照的に、膜型TNFの発現量はむしろ減少した二我々のこれまでの研究では、活性化T細胞やNK細胞が最も多く膜型TNFを発現し、クローン病においては病態形成にこれら活性化T細胞が重要であると考えられる。このことからヒトT細胞における膜型TNFの発現機構は重要である。少なくともマウスとヒトあるいはマクロファージとT細胞でそのメカニズムが異なることが判明したため、ヒトSNAREファミリー分子を発現ベクターに網羅的に組み込んだ。2. 膜型TNFの細胞表面表出後の挙動 : 膜型TNF発現T細胞をその標的細胞であるマクロファージと共培養を行い、その動態を観察した。T細胞上の膜型TNFはマクロファージの細胞膜上へ速やかに細胞間移動した。その方向はドナー側と同じくN末端が細胞内、C末端が細胞外となっていた。TNF受容体は1型と2型があり、1型のみあるいは2型のみを発現した細胞株を作製し、膜型TNF発現細胞と共培養した。TNF受容体1型と2型いずれも膜型TNFの細胞間移動が認められ、その程度はほぼ同等であった。この現象は膜型TNF発現細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定することにより抑制された。局所的な細胞膜癒合が細胞間移動のメカニズムと考えられる。炎症局所では活性化リンパ球が次々と細胞-細胞間会合によりリガンドを受け渡していくことにより、炎症が促進していくことが想定された。
All 2008
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)
Arthritis & Rheumatism 58(5)
Pages: 1248-1257
Rheumatology (Oxford) 47
Pages: 821-827