Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
新生児肝炎もしくは胆道閉鎖症類似疾患で診断がつかない症例のうち閉塞性黄疸があるにもかかわらず、血清γ-GTPおよび総胆汁酸値が正常もしくは低値の症例について、尿中胆汁酸分析をGS-MSを用いて行い、異常胆汁酸の検出を行った。また同時に必要な症例に関しては肝生検にて組織病理的特徴を検討した。さらに分子生物的な解析として、患者およびその血縁者の血液あるいは肝臓よりGenomic DNA抽出。上記検査から疑われる胆汁酸代謝異常症の責任遺伝子の遺伝子配列を確認し、コントロール群およびこれまで報告のある結果と比較検討した。その結果本邦で初めてのものを含めいくつかの新たな遺伝子異常が確認された。これにより、これまでの生化学的な解析では鑑別が不可能であった病像の類似する一次胆汁酸異常症と肝疾患や全身性疾患によって生じる二次的な胆汁酸酵素異常との鑑別が可能となった。また、胆汁酸の胆汁酸生合成過程と胆汁酸酵素の関係はまだ完全に解明されていない部分も多く臨床像と胆汁酸解析の結果が一致しないものもある。今年度の研究の中で蓄積したデータをもとにコレステロールから胆汁酸への変換経路・相互制御機構の解明を行っていく予定である。さらに今回加わった分子生物学的手法を用いた解析により正確な早期診断を、行い内科的治療法を選別することで、肝移植回避を選択しうる重要な根拠となる可能性があるものと考えている。
All 2009 2008
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)
J Gastroenterol Hepatol (In Press)
J Pediatr Gastroenterol Nutr 46
Pages: 465-9