IgA腎症患者の口蓋扁桃におけるBclー2蛋白の過剰発現についての検討
Project/Area Number |
20791183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
須長 寛 福井大, 医学部, 助教 (30362049)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | IgA腎症 / Bcl-2 / 免疫組織化学染色 / apoptosis / パラインフルエンザ菌 |
Research Abstract |
本年度はまずIgA腎症患者と非IgA腎症患者の口蓋扁桃でBcl-2蛋白の発現の違いを検討した。方法はそれぞれの口蓋扁桃組織で免疫組織化学的に検討した。一次抗体はDAKO社抗bcl-2抗体を用いた。結果は、IgA腎症患者と非IgA腎症患者の口蓋扁桃でBcl-2の発現はIgA腎症で87%に陽性であり、非IgA腎症は5.9%の陽性率であった。IgA腎症患者の口蓋扁桃ではbcl-2蛋白は有意に高い発現率が認められた。この結果を確認するために凍結保存しておいた口蓋扁桃組織を用いて電気泳動法を用いたBcl-2蛋白発現の同定を試みた。IgA腎症患者と非IgA腎症患者それぞれ5例づつ検討した結果、IgA腎症患者の扁桃では非IgA腎症患者の扁桃に比べ有意に強い蛋白量が同定され、免疫組織化学染色の結果が裏付けられた。また、bcl-2の発現とIgAの産生や口蓋扁桃におけるアポトーシスとの関連について免疫組織化学的に検討した。IgA腎症患者の口蓋扁桃では非IgA腎症に比べて扁桃胚中心の単核球細胞にapoptosisが有意に少ない結果であった。IgAの産生では有意な差は認めなかった。さらに、口蓋扁桃から分離した単核球にパラインフルエンザ菌の外膜抗原刺激を与えることでBcl-2蛋白の発現に変化が生じるか検討したが、有意な差は認められなかった。本年度の検討ではIgA腎症患者の口蓋扁桃では非IgA腎症患者の扁桃に比べ有意に高くBcl-2蛋白が発現していることが確認された。しかしBcl-2の過剰発現が感染により引き起こされているのか、他の要因が関与しているかについてはまだ検討の余地が残されている。
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Report
(1 results)
Research Products
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