Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
1. 研究目的 : 本研究の目的は、化学療法による末梢神経障害のアセスメントシートの妥当性について検証することである。平成20年度は、化学療法による末梢神経障害のアセスメンドシートを開発するために、末梢神経障害のアセスメント項目(症状の種類や評価、日常生活への影響、対処法など)についで検討し、アセスメントシートおよびケア基準を作成した。2. 研究方法 : 化学療法による末梢神経障害に関する評価尺度や介入(支持療法や対処法)について文献検討を行い、先行研究で抽出した末梢神経障害のアセスメント項目を基に、妥当なアセスメント項目および臨床適用するためのアセスメントシートの作成とそれに付随するケア基準について検討を行った。3. 研究結果 : CINAHL等の文献検索システムを用いて最近5年間の文献検討を行った結果、末梢神経障害の評価はNCI-CTCAE等の毒性判定基準を用いて評価を行うと共にQQL測定を行っているものが多かった。また、介入は支持療法や対処法として確立されたものはなく、各施設で症状の重症度に応じて現時点で妥当な対応基準を作成していることが明らかになった。文献検討の結果から、アセスメントシートの内容は末梢神経障害の認知、評価、日常生活への影響、休薬の判断等のアセスメント10項目を活かし、症状の程度の評価で既存の毒性判定基準を併用するものとした。また、ケア基準の内容は治療開始前と治療開始後の症状の重症度別に支持療法と対処法、日常生活の注意点等の療養生活指導とし、支持療法の適用に関しては医師との協働によって実施するものとした。外来化学療法に携わる看護師やがん看護の専門家、専門医に意見をもらい、作成したアセスメントの内容や項目について再検討を行った。今後は作成したアセスメントシートを実際に臨床適用し、その調査結果を元にさらにアセスメントシートを精錬していく必要がある。