Budget Amount *help |
¥2,379,000 (Direct Cost: ¥1,830,000、Indirect Cost: ¥549,000)
Fiscal Year 2009: ¥832,000 (Direct Cost: ¥640,000、Indirect Cost: ¥192,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,547,000 (Direct Cost: ¥1,190,000、Indirect Cost: ¥357,000)
|
Research Abstract |
本年度は, しきい値回路のシミュレーションシステム開発, 及びそのシミュレーションシステムを利用したパルス発生量の少ないしきい値回路の設計に取り組んだ. この開発の過程において, パルス発生量の少ないしきい値回路の計算能力の限界に関する結果を得ることができた. 具体的には, ある関数を計算するしきい値回路のパルス発生量と他の計算資源(回路を構成する素子の個数や回路の段数)の間に, トレードオフの関係があることを証明した. すなわち, パルス発生量の少ないしきい値回路は, 他の計算資源を多く用いなければならず, また逆に他の計算資源を少なく抑えたしきい値回路は, パルスの発生量を多く用いなければならない. しきい値回路がどのような関数を計算するかよって, トレードオフの形及びその導出手法は大きく異なる. 論文[Uchizawa, Takimoto]においては, ほぼすべてのプール関数に対して成立するトレードオフの導出に成功した. このトレードオフでは, パルスの発生量, 回路を構成する素子の個数, 段数という3つの計算資源が全て係る. 論文[Uhizawa, Takimoto, Nishizeki]においては, プール剰余関数を計算するしきい値回路に対してのみ成立するトレードオフの導出に成功した. このトレードオフでは, パルス発生量及び回路を構成する素子の個数が係る. 論文[Uchizawa, Takimoto]で示したトレードオフはほぼ全てのプール関数に対して成立するが, 論文[Uhizawa, Takimoto, Nishizeki]で対象としているプール剰余関数に対しては例外的に成立しない. このため, この2つのトレードオフは双方を補完する結果となっている.
|