Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
本研究の目的は、成人を対象に第二言語習得における産出学習および知覚学習が、脳のどの領域の働きの変化に影響するのかを、機能的磁気共鳴画像(fMRI)を用いて明らかにすることである。本年度の研究実施計画に基づき、まずfMRI実験および音声トレーニングで用いる、外国語音の子音と母音の組み合わせからなる音声ファイルを多数準備した。また、音声トレーニングをより最適なものとするために、関連するシンポジウムに参加して情報を収集し、書籍及び論文から関連する知見のレビューを行うとともに、既存の英語音声トレーニングソフトを複数調査しトレーニング方法とその効果についてもが察した。以上のようなトレーニング方法のデザインの最適化は、実験のやり直しがそれほど簡単ではない多数の被験者が参加するfMRI実験を行う際には、非常に重要な過程である。次に、以上で準備した音声刺激を含む、fMRI実験用刺激提示プログラムを作成し、実際に3T-MRI装置を用いてfMRI実験のテストランを行い、細部の調整を行った。実際には、当初予想されていなかったいくつかの問題(3T-MRI装置の撮像およびデータ転送装置が安定しない、また、被験者の発話を録音するノイズキャンセリングマイク装置の不具合)があり、それらの問題解決に多くの時間が使われたため、本年度においては、当初の予定通りに計画が進まなかった。しかしながら、本年度の準備によって、MRI装置の大部分の問題が解決し、fMRI実験デザインも大部分が完成しており、次年度からトレーニングを含めたfMRI実験を最適なデザインでスタートできる体制を整えることができた。