Project/Area Number |
20810005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nanomaterials/Nanobioscience
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梶本 真司 東北大, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (80463769)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,664,000 (Direct Cost: ¥1,280,000、Indirect Cost: ¥384,000)
Fiscal Year 2009: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,144,000 (Direct Cost: ¥880,000、Indirect Cost: ¥264,000)
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Keywords | 相分離 / 温度ジャンプ法 / 金ナノ構造体 / 動的な反応場 / 相転移 / パルスレーザー |
Research Abstract |
ナノ秒近赤外光パルスレーザーを用いた温度ジャンプ法によりブトキシエタノール-水混合溶液中に相分離過程を誘起し、一定の遅延時間後に紫外光パルスを照射し金イオンの光還元反応を誘起することによって、動的に相分離過程にある溶液を反応場として金のナノ構造体を作製することに成功した。得られた金ナノ構造体の大きさ・形状は平衡状態にある溶液中で得られるナノ粒子と大きく異なった。特に、近赤外光と紫外光パルス光の遅延時間を5μsにしたときには一辺およそ800nm程度の四角いプレート状の構造体が得られた。このような構造体は平衡状態にある溶液ではもちろん、他の遅延時間でも観測されなかった。また、遅延時間を10μsとして光還元反応を誘起すると相分離過程に現れる相互に絡み合った2相を反映するような50nm程度のナノ粒子の複雑な凝集体が得られた。このことから動的に相分離過程にある溶液が特異な反応場として応用可能であることが分かった。温度ジャンプに伴う相分離過程では、レーザー照射後1μs程度まで異種分子間の水素結合の解離を伴う微小相の形成が起こり、その後は平衡濃度に達した数10ナノメートル程度のそれぞれの相が徐々にその大きさを成長させていくように相分離過程が起こることが分かっている。今回得られたナノ構造体はマイクロ秒オーダーの時間領域においても遅延時間に応じてその構造・大きさを変化させた。この結果は相分離初期過程に現れるナノメートルサイズの相が形成する界面が金のナノ構造体の形成に大きく寄与していることを示唆している。さらに、相分離過程にある溶液の性質について、分子動力学計算を用いて調べた。
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