Budget Amount *help |
¥3,289,000 (Direct Cost: ¥2,530,000、Indirect Cost: ¥759,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,729,000 (Direct Cost: ¥1,330,000、Indirect Cost: ¥399,000)
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Research Abstract |
本年度は, 底泥からの健康関連微生物検出手法の確立, 及び現地調査による水中・底泥中の健康関連微生物の検出を研究目的とした。底泥からの微生物検出手法としては, (1)底泥から直接核酸を抽出する手法, (2)底泥を緩衝液などに懸濁させ, 低速での遠心分離後に液層を回収・濃縮する手法, の2種類が存在する。底泥からのウイルス検出手法は, 対象の河川・沿岸海域で採取した底泥にポリオウイルスを添加し, (1)と(2)の回収率を比較することで評価した。(2)については, 緩衝液の種類, pH, 濃縮方法(陰電荷膜法またはPEG沈殿法)を検討した。その結果, (1)は土壌からのRNA抽出キット(RNA PowerSoil, Mo Bio)を用いた場合(回収率27%, N=3), (2)はグリシン緩衝液(pH=9)と陰電荷膜法を組み合わせた場合(回収率3.3%, N=11)が最も回収率が高かった。土壌から微生物を回収する際に同時に溶出してくるフミン物質はPCRを阻害することが報告されており, 対象とするウイルスの直径や等電点はそれと同等であることから, フミン物質が含まれる底泥からウイルスを検出するには, 核酸の状態で分離・精製を行う(1)が適していることが明らかとなった。 現地調査は対象地域において毎月実施し, 計6地点で採取した水・底泥試料から糞便汚染の起源解析に用いられるバクテロイデス属細菌を検出した。水試料(海水20L, 河川水1L)はフィルターで濃縮した後にDNAを抽出し, 底泥試料(湿潤重量0.5g)は(1)の手法で処理し, バクテロイデス遺伝子をPCRで検出した。その結果, 試料の陽性率は, 水が6%であるのに対し底泥は61%と大きな差が見られた。底泥におけるヒトに特異的なバクテロイデスの陽性率は47%で(水からは非検出), 対象地域の底泥がヒトの糞便によって汚染されていることが確認された。
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