Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
細胞増殖因子の徐放による最先端骨再建術により形成した再生長管骨に対し、摘出後、測定面を切断、露出した試料を用いて反射型のX線回折法によって、骨長手方向に沿った生体アパタイト(BAp)c軸配向性を評価した。入射X線には、Cu-Kα線を用いた。その結果、配向性の回復は、従来の骨評価指標である骨密度に比べて著しく遅れることが示された。さらに、ヤング率、靭性といった骨力学特性は、骨密度よりもむしろBAp配向性に顕著に制御された。これは、申請書記載の自然治癒の場合の骨再生過程と同一の傾向であり、たとえ最先端技術を用いた場合でも、骨微細構造や力学機能の本質的な早期再生には至らないことが示された。一方で、BAp配向性の計測は、骨機能の正確な評価に対して極めて有効であることが示された。しかし、本指標の臨床応用に向けて、低侵襲での評価システムの構築が不可欠である。そのためには、骨摘出の必要をともなう反射法での測定ではなく、透過法を用いることが必須である。最終目標であるin vivo(生体内)での低侵襲解析に先立ち、摘出骨に対して透過法にて解析を行った。反射法にて用いたCu-Kα線では、骨厚さに対して透過能力が十分でなく、回折X線の検出強度がほとんど得られなかった。しかし、Cu-Kα線よりも透過能の高いMo-Kα線を線源として用いることで十分な回折強度を得ることが可能であった。今後は、実際にBAp配向性の定量化法の検討・確立を行い、再生骨に対して解析を推進するとともに、in vivo計測を目指し、軟組織によるX線の吸収等も考慮しつつ、測定・解析条件の最進化を行う。
All 2009
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Journal of Physics ; Conference Series (In press)