Budget Amount *help |
¥3,133,000 (Direct Cost: ¥2,410,000、Indirect Cost: ¥723,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,404,000 (Direct Cost: ¥1,080,000、Indirect Cost: ¥324,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,729,000 (Direct Cost: ¥1,330,000、Indirect Cost: ¥399,000)
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Research Abstract |
本研究では,有限変形を前提とし,かつ解の安定性を厳密に考慮した数学モデルとして,多凸性ひずみエネルギー関数を用いた異方性超弾性体モデルを開発し,また,本モデルの応用として,縦糸と横糸から成る衣服の材料モデリングへ適用し,衣服圧シミュレーションシステムの構築を行った.本シミュレーションシステムは,衣服の快適性すなわち着心地に寄与する衣服の構造とメカニズムについて明らかにすることを目的とし,その解析方法の一つとして衣服圧の力学的特質に主眼を置いた本研究では,ファイバー間の相互作用を考慮した多凸性ひずみエネルギー関数を用いた異方性超弾性体モデルを開発・実装し,衣服の材料モデリングへと適用した.本材料モデルを用いて,3次元シミュレーションによる衣服圧の正確な予測を行い,これに必要な物性の測定法と衣服材料モデリングおよび大変形・非線形解析手法を検討した.衣服圧の測定データは,日本人20代女性の平均体型を模したマネキンを用いた衣服圧の計測システムから取得した.本システムではエアーバック方式の感圧計を用いて計測を行った,本実機による計測では,ピンポイントの計測は可能であるが,人体にかかる衣服圧全体の分布を把握することは難しい.そこで,本実機の計測の欠点を補うため,非線形有限要素法を用いた計算機シミュレーションを実施し,立位状態での着衣時の衣服圧分布を予測した.布地の力学的特性に対する応力とひずみの関係からひずみエネルギー関数を定式化した.本材料モデルの材料定数を同定するため,衣服圧の計測で用いた衣服の布を試験片として切り取り,布の引張荷重と伸張の関係を測定した.測定データと合致するようにフィッテングを行い,本材料モデルのパラメータを決定した.本シミュレーションシステムが衣服の最適設計の構築の一助となり,衣服造形分野へ与える影響は大きいものと考える.
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