Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
本研究は、ウニの胚発生において二つの軸形成のインターフェイスで働く転写因子FoxQ2とその下流因子の機能解析を目的としている。これまでの研究からFoxQ2が二次軸形成因子であるnodalの発現を直接または間接的に抑制していることが示唆されている。そこでFoxQ2の下流因子の中でnoda1を抑制する機能を持つ因子の存在を探るため、平成20年度はFoxQ2下流因子の単離とそれらの時空間的発現解析を行なった。まず、アメリカNIH・Angerer研究室の協力を得てゲノム情報が利用できる北米産ムラサキウニのFoxQ2ノックダウン胚とコントロール胚から全RNAを抽出し、マイクロアレイにかけた。両者を比較し、ノックダウン胚で発現が抑制,された遺伝子の中から機能未知なものと他の動物で神経外胚葉特異的に発現しているもの(FoxQ2がウニ胚の予定神経外胚葉特異的に発現しているため)を合計25個選別し、全ての遺伝子を日本産のバフンウニから単離した。それらの遺伝子の時空間的発現を調べるためRNAプローブを作成し、発生段階ごとin situ hybridizationを行なった。その結果、胞胚期からプルテウス幼生期にかけて神経外胚葉特異的に発現しているものが8個あった。それらの発現をより詳細に解析するために蛍光2色in situ hybridizationを行ったところ、神経細胞特異的な発現を示すものと非神経細胞特異的な発現を示すものとに分けることができた。このことから、FoxQ2は軸形成時にndalの発現抑制を行なうとともに神経外胚葉のSpecification/Patterningにも関与している可能性が示唆された。現在、それら8個の因子に関して、モルフォリノオリゴをデザインし機能阻害実験を進めている。また、全長RNAを合成し過剰発現による機能解析も進めている。
All 2009
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)
Development. 136
Pages: 1179-1189