Budget Amount *help |
¥3,302,000 (Direct Cost: ¥2,540,000、Indirect Cost: ¥762,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,742,000 (Direct Cost: ¥1,340,000、Indirect Cost: ¥402,000)
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Research Abstract |
本研究申請者は犬脊髄損傷に対する再生医療の取り組みとして、自家移植の可能な犬骨髄間質細胞に着目し、研究を進めている.申請者は犬骨髄間質細胞がラット脊髄後根神経節ニューロンの突起(軸索)を伸長させる作用を持つことを確認し、この作用はフィブロネクチンやラミニンなどの細胞外マトリクス蛋白の産生によるものであることを報告した。本研究では、犬骨髄間質細胞が液性因子を介して神経軸索の伸長を促進するのか、またこのときに最も重要な液性因子は何かを検討した。 犬骨髄間質細胞より得られたコンディショニングメディウムはラット神経細胞の軸索を有意に伸長させることを確認した。この犬骨髄間質細胞が有する軸索伸長作用は濃度依存性であり、神経成長因子による作用であることが考えられた。次に得られたコンデイショニングメディウムを5種類の神経成長因子(BDNF, NGF, NT3, NT4/5)に対する中和抗体を用いて前処置を行った。それぞれの中和抗体により前処置したコンディショニングメディウム中でラット神経細胞を培養したところ、NGF中和抗体による処置を行った群のみ軸索伸長高価が有意に抑制された。このことは、犬骨髄間質細胞がもつ液性因子を介した軸索伸長作用は、NGFによるものであることが示唆された。 また、平成20年度はラットの脊髄損傷モデル作製の再現性を検証するための予備実験を実施した、ラット脊髄挫傷装置を用いて、ラット脊髄損傷モデルを作製し、後肢運動機能を経時的に評価した。後肢運動機能の損失と回復度合いは、脊髄の損傷程度とほぼ比例し、再現性のあるモデルを作成できることを確認した。
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