Budget Amount *help |
¥3,302,000 (Direct Cost: ¥2,540,000、Indirect Cost: ¥762,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,742,000 (Direct Cost: ¥1,340,000、Indirect Cost: ¥402,000)
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Research Abstract |
様々な疾患を背景に持つヒト肺細胞は,その遺伝背景や老化の程度も異なるユニークな細胞である.そしてこれらの細胞は,元々の肺疾患のphenotypeを引き継いでいると考えられ,今までの培養細胞実験とは異なる,疾患肺細胞固有の反応が得られると考えられる.そして,これらの細胞の機能を解析することによって,難治性肺疾患に対する新たな理解が得られるものと考える.今回の研究は,このユニークなヒト肺細胞を用い,その機能・反応を解析することによって,細胞の側から疾患を理解するとともに,新たな創薬・薬剤スクリーニングの場を構築することが目的である. 昨年度,肺組織より分離した細胞より6系統のcell lineを樹立した.それらの増殖能を比較すると,加齢または原疾患とともに変化することが明らかとなった.また,同様の細胞を,マウス肺からも分離することに成功した.細胞表面マーカー,細胞分化度,遺伝子発現の異なる52系統のcell lineを樹立した.その細胞をマウスエラスターゼ肺傷害モデルに投与すると,組織傷害および組織破壊の軽減がもたらされた.この結果は,論文として現在投稿中(revise中)である.他疾患への影響も検討するため,この細胞を用いて,他大学との共同研究が進行中である.また,薬剤スクリーニングのための共同研究計画が,現在策定されつつある. 以上のように,今回の研究を元に,新たな細胞を分離同定し,そのcell lineが樹立されたことにより,肺疾患の理解・新規治療法の開発へ向けて今後の新たな可能性を開くことが出来たと考える.
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