口腔粘膜の間葉系幹細胞が制御する免疫抑制機構の解明
Project/Area Number |
20890020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Morphological basic dentistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永井 康裕 東北大, 歯学研究科(研究院), 助教 (90508962)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,302,000 (Direct Cost: ¥2,540,000、Indirect Cost: ¥762,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,742,000 (Direct Cost: ¥1,340,000、Indirect Cost: ¥402,000)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 共刺激分子 / 制御性T細胞 / B7-H3 |
Research Abstract |
本研究では、口腔組織におけるB7ファミリーの発現および機能解析、特にB7-H3に焦点を当て行うことを目的とする。本年度の研究成果は以下のとおりである。ヒト6歳乳歯由来歯肉線維芽細胞から、限界希釈法を用いて単一細胞より形成されるクローン細胞を選抜し、細胞株(H1C1)を樹立した。H1C1は、脂肪細胞、軟骨細胞、骨芽細胞に分化する能力を有する間葉系幹細胞であった。RT-PCR法によって、抑制性の共刺激分子であるB7-H1、B7-H2、B7-H3のmRNAが発現することが明らかとなった。FACSおよび免疫細胞染色により、B7-H3分子がH1C1細胞膜に発現すること明らかとなった。このことは、B7-H3分子が様々な未分化/前駆細胞に発現することを示唆するものである。さらに、ヒト末梢血単核球とHIC1の共培養を行うことで、免疫を抑制的に制御しているcD4+cD25high制御性T細胞が増加し、抑制性のサイトカインであるIL-10が単培養の場合と比較して大幅に促進されることが明らかとなった。共培養区に抗B7-H3抗体を加えることでB7-H3分子を阻害すると、制御性T細胞の増加が抑制されたことから、その増加に共刺激分子であるB7-H3分子が関与していることを見出した。このことは、口腔粘膜に存在する間葉系幹細胞が免疫寛容を誘導することを示唆するものである。また、制御性T細胞の増員に、間葉系幹細胞が発現するB7-H3分子が関与することを初めて明らかにした点で重要な知見になると思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)