歯の細胞外環境因子としてのネフロネクチンの分子機能解析
Project/Area Number |
20890163
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthodontic/Pediatric dentistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉崎 恵悟 九大, 大学病院 (10507982)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,302,000 (Direct Cost: ¥2,540,000、Indirect Cost: ¥762,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,742,000 (Direct Cost: ¥1,340,000、Indirect Cost: ¥402,000)
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Keywords | 歯胚 / エナメル芽細胞 / ネフロネクチン |
Research Abstract |
エナメル芽細胞の分化制御においては、上皮-間葉相互作用を介して増殖因子や細胞外マトリックスなどがその分化を厳密に制御していると考えられている。これまでの研究で神経成長因子NT-4を用いてエナメルマトリックスの一つであるであるアメロブラスチンの発現誘導を行えることを明らかにした。しかしながら、NT-4刺激のみではエナメル芽細胞は最終分化まで至らず、他の因子が重要な役割を担っている可能性が考えられる。そこで、エナメル芽細胞の分化に影響を与えていると考えられる新規の基底膜分子ネフロネクチンに着目した。本研究では、エナメル芽細胞の分化メカニズムを明らかにするために、1)歯の発生におけるネフロネクチンの発現パターンの解明、2)ネフロネクチンによるエナメル芽細胞分化制御解明、3)ネフロネクチンを用いたエナメル芽細胞分化誘導法の開発を成し遂げることを主な目的としている。歯の発生におけるネフロネクチンの発現をin vivoにおいて確認したところ、歯胚形成時期にはその発現が基底膜上に認められるが、マトリックス分泌期になると基底膜の消失とともに発現が消失することが確認された。さらに歯原性上皮細胞株HAT-7を用いて本遺伝子の発現パターンを検討すると、未分化な時期にはネフロネクチンの発現が認められるが、分化が進んでエナメルマトリックスなどを分泌するに従ってその発現が抑制されることが分かっている。このことからネフロネクチンは、歯原性上皮細胞の初期分化過程と、その細胞増殖に何らかの影響を与えている可能性が推測される。この細胞外マトリックスの発現によるエナメル芽細胞の分化メカニズムを理解することで、エナメル芽細胞分化過程における基底膜の役割が詳細になる上に、増殖因子によるエナメル芽細胞の分化制御と併用することでより厳密なエナメル芽細胞分化誘導が行える可能性が考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)