Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
OASIS欠損マウスから採取した骨組織より骨基質タンパク質を抽出・解析したところ、野生型に比べI型コラーゲンのタンパク質量が減少していた。そこで、ウエスタンブロッティング法により、骨に含まれるコラーゲンを比較・定量できるシステムを立ち上げた。その結果、OASIS欠損マウスの骨では、骨基質であるオステオポンチンは十分量含まれているのにコラーゲンだけが減少していることがわかった。X線写真による解析を行った結果、OASIS欠損マウスでは骨密度の低下が認められた。そこで、カルセイン二重ラベルを施したマウスを用いた骨形態計測を行い、OASIS欠損マウスの骨形成率及び骨吸収率を定量化した。この解析により、OASIS欠損マウスの骨形成不全が骨形成率の低下から由来することが確認できた。また、マイクロCTを用いて3次元骨梁構造を詳細に調べたところ、OASIS欠損マウスで海綿骨及び皮質骨の減少が確認された。初代培養骨芽細胞を用いたOASISターゲット遺伝子の探索では、OASIS欠損マウスと野生型マウスより採取・培養した骨芽細胞を用いて、発現量の異なる遺伝子をマイクロアレイ及びRT-PCR法により網羅的に探索した。その結果、OASIS欠損骨芽細胞において骨基質の主成分であるI型コラーゲンの転写レベルでの減少が認められた。このOASIS欠損骨芽細胞のコラーゲン転写の減少はアデノウイルスを用いてOASISの過剰発現させることで救済されたことより、OASISのターゲット遺伝子としてI型コラーゲンが浮上した。
All 2009
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