パノスコピック形態制御された希土類物質の強磁場誘起電磁物性
Project/Area Number |
20900144
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岸尾 光二 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (50143392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下山 淳一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (20251366)
堀井 滋 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (80323533)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Keywords | 高温超伝導 / 熱電変換材料 / 高磁気抵抗材料 / 希土類 / 強磁場 / 組織制御 / 結晶化学 |
Research Abstract |
当該年度では希土類系高温超伝導材料に着目し、(1) バルク磁石応用に向けた溶融凝固体の臨界電流向上や、(2) 磁場配向に向けた磁気異方性制御・新規磁場配向手法の開発を行った。(1) では、溶融体の強度向上に使われるAg添加がY123母相の超伝導特性に与える影響を明らかにした。400℃で酸素アニールしたAg添加Y123溶融凝固体の臨界電流密度(Jc)の磁場依存性において、Ag添加量の増加とともに特に磁場中のJcが上昇した。Ag添加量の変化による母相内のAg置換量の変化が母相の到達キャリア量を変えると同時に、希薄Ag添加で生成される局所的低Tc領域が磁束ピンニングセンターとして機能する。(2) では、希土類(RE)イオンの室温における常磁性磁気異方性や双晶のない希土類系高温超伝導体の三軸磁場配向を試みた。REの磁気異方性の理解には、RE123のc軸配向体を静磁場および回転磁場を用いて作製し磁化法から面内-面間異方性(Dc)を評価した。その結果、Dcが大きいRE123でStevens因子の符号と強い相関をもつことがわかった。また、Dcの絶対値に目を向けると、重希土類のRE123で10-4[-]オーダーの磁気異方性を示すことから、軽希土類イオンよりも重希土類イオンのほうがRE123の磁気異方性増強に効果的あることがわかった。この結果は、層状酸化物中のRE3+イオンの磁気異方性を定量的に明らかにした初めての報告である。さらに、回転変調磁場を用いて室温・エポキシ樹脂中でY2Ba4Cu7015-y超伝導体粉末を配向させた結果、c軸配向に加えDf〜1.1度程度の高い面内配向性を実現した。エピタキシャル成長技術に頼らない新しい高温超伝導体の高次配向制御法が存在することを原理的に示した結果である。
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Report
(1 results)
Research Products
(34 results)