励起電子状態計算に基づいたJ会合体の色素増感機構の研究
Project/Area Number |
20915020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
化学
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Principal Investigator |
鈴木 哲 , 無職
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2008: ¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
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Keywords | J会合体 / 色増感機構 / 分子軌道法 |
Research Abstract |
シアニン色素などのJ会合体を用いた色増感技術は、銀塩カラー感光材料のキーテクノロジーとして、その完成に決定的な役割を演じた。銀塩感光材料は写真における主役の座を降りたけれども、色増感技術の解明は、太陽エネルギー利用技術で新たな役割を担うことが期待される。本研究では電子状態計算に基づいて色増感の理論的基礎を解明する方法論を確立することを目的とした。理論的解明に適していると考えられるスクエアリリウム色素を取り上げ、その単量体、二および三量体ならびに多量体の幾何構造を構造最適化法で決定し、その電子状態波動関数から色増感機構の理論的解明を行うという方法論の確立を目指した。 J会合体の構造としていろいろな配列が提案されているが、本研究では一次元積層配列の五量体までの最適化幾何構造を求めることに成功した。三量体以上では階段型および梯子型の2種類の一次元配列がいずれも存在可能であることを明らかにした。階段型は、吸収バンド幅が広がって広範囲の光エネルギーの吸収に有利であることが明らかとなった。梯子型は、エネルギー的には階段型より安定であるが、吸収バンドが狭くなり、特定波長の吸収に有利である。これらのことから、J会合体による色増感においては、構成色素の配列様式の制御が特に重要であることを明らかにすることができた。この方法論を適用することにより、シアニン色素の色増感機構の解明から、更に進んで太陽エネルギー利用技術への展開も期待できる。
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Report
(1 results)
Research Products
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