Project/Area Number |
20919024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅰ(機械系)
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Research Institution | 静岡県警察本部刑事部科学捜査研究所 |
Principal Investigator |
原間 利之 静岡県警察本部, 刑事部・科学搜査研究所, 主任研究員 地方公務員
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥580,000 (Direct Cost: ¥580,000)
Fiscal Year 2008: ¥580,000 (Direct Cost: ¥580,000)
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Keywords | 抹消文字の検出 / 電解研磨 / 車台番号 |
Research Abstract |
研究目的 電解研磨によって車体番号が検出される現象や具体的な検出の条件についてはこれまでほとんど研究されていないことから、今回の研究によって車台番号の検出法を確立し、窃盗(自動車盗)事件の究明に貢献することを目的とした。 研究方法 電解研磨が車台番号付近の金属に与える影響を実験的に調べるため以下の実験を行った。実験で使用した鋼材にはSS400とS45Cを使用した。 (1) 抹消されたされた刻印に対して、電解研磨と金属組織検査を行い両者を比較した。 (2) 電解研磨によって顕在化した刻印の断面組織を観察した。 (3) 抹消される前の刻印の断面組織を観察した。 (4) 電解研磨時の電圧を変化させ、電流値を測定した。 (5) 電解研磨の電解液に塩酸と硫酸の2種類を使用し、顕在化された文字を比較した。 研究成果 (1) 電解研磨を行った後の金属を電子顕微鏡で観察すると、フェライトやパーライトといった金属組織が観察された。電解研磨を行うと鋼材中の結晶粒界が溶解されにくいために、金属組織が観察できるものと考えられた。刻印がある部分の断面組織は他の部分と違いがあり、電解研磨を行うと金属組織の違いによって文字が顕在化されることが判明した。 (2) 電解研磨で使用されている電圧の範囲で、電圧を増加した場合には電流が増加することから、酸化物が電解液中に拡散する領域で電解研磨が行われていることが判明した。 (3) 硫酸は塩酸に比べて、金属の溶解速度が速いため、硫酸を使用する場合には、硫酸の濃度を調整しながら検出を行う必要があると考えられた。
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