Project/Area Number |
20924013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅴ(その他工学)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 隆夫 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 技術專門職員
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥470,000 (Direct Cost: ¥470,000)
Fiscal Year 2008: ¥470,000 (Direct Cost: ¥470,000)
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Keywords | バイオエタノール / 吸着分離 / 分子ふるい活性炭 |
Research Abstract |
1. 研究目的 バイオエタノール生産における分離・濃縮工程を、蒸留法に替わる省エネルギー型の濃縮技術として吸着法を提案し、低濃度エタノール水溶液である発酵液から直接吸着濃縮できる吸着材の開発を目的とした。 2. 研究方法 孟宗竹を原料として、900℃まで加熱後、CO2賦活操作および高温処理を所定時間行い、細孔径を調整した竹活性炭を製造した。この竹活性炭を用いて、エタノールの液相と気相吸着実験により、性能評価を行った。また吸着阻害因子を検討するため、YPD培地と酵母を用いたエタノール発酵液による同様の液相吸着実験を行った。さらにエタノール吸着後の竹活性炭をカラムに充填し、真空ポンプで脱着操作によるエタノール回収実験を行った。 3. 研究成果 予備実験により吸着特性が良好であった吸着材を基に細孔構造を推定すると、エタノール分子サイズである0.5nm程度の細孔径がエタノール吸着分離に最適であることが分かった。これを基に竹活性炭の製造に反映させ、エタノール吸着に最適な竹活性炭を作製した。この竹活性炭のエタノール濃縮率(エタノールの液相吸着量を気相飽和吸着量で基準化した値)は約70%を示し、吸着量は約100mg/gであった。さらに発酵液からの直接吸着を行った結果、発酵液中の代謝産物による影響は殆ど見られないことが分かった。またエタノール吸着後の竹活性炭から真空脱着を試みた結果、約37%のエタノール水溶液を得た。これは竹活性炭のマクロ孔内に低濃度のエタノール液が存在しているためと考えられる。よってマクロ孔が極力存在しない吸着材の開発も視野に入れることが今後の課題である。 バイオエタノールの分離・濃縮工程を、従来の蒸留法に替わる吸着法に適した分子ふるい竹活性炭を開発した。この竹活性炭を用いることで直接発酵液から高濃度エタノールを分離・回収できることが示唆された。
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