Project/Area Number |
20925032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
農学・水産学
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Research Institution | 岐阜県立国際園芸アカデミー |
Principal Investigator |
多田 充 岐阜県立国際園芸アカデミー, 環境コース, 准教授
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥580,000 (Direct Cost: ¥580,000)
Fiscal Year 2008: ¥580,000 (Direct Cost: ¥580,000)
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Keywords | 野外保育 / デンマーク / 環境教育 |
Research Abstract |
幼児期からの継続的な自然体験の方法として"森のようちえん(野外保育)"が注目されている。本研究では森のようちえん発祥地であるデンマークの事例調査から、幼児の自然体験のための環境整備に必要な要素を明らかにすることを目的とした。調査は野外保育園を中心に施設、野外体験プログラムの調査を行った。また野外保育園と比較するために一般的な保育を行っている総合保育園、園内に自然的環境の整備を行っている自然保育園や国立公園、世界遺産地域についても調査を行った。野外保育園、自然保育園では遊び等において選択の多様性に優れ、かつ知的好奇心を満たす素材として自然の優位性を認め、積極的に自然の活用を図っていた。屋外空間の整備については、遊具等の人工的構造物を使用するゾーンと倒木や岩、池といった自然的なゾーンに分けて整備されており、危険の許容度にも差が設けられていた。自然的ゾーンでは子どもが自らの限界や危険を体験することができるようにあえて「危なっかしい」部分をつくり、なおかつ万一の落下時には衝撃を吸収するような設備をするなど、リスクをハザードにしない対応が徹底されていた。また、倒木など自然物も転動防止や回転部を持つ遊具は巻き込み防止が徹底されるなど、予防的対策が採られており、それらの対応は行政による設置基準にまとめられ、自己点検および外部評価による確認がされていた。さらに運用面については、屋外保育の時間は施設側がパートタイムを含めて職員数を多く確保し、危険防止に努めた上で、自然体験の目的を保護者と施設側とで共有し、事故とトラブルの防止に努めていた。調査対象園では実際に事故になる件数は相当少なく、3~5年に1回以下であり、保護者と施設とのトラブルにまで発展した例はなかった。幼児の自然体験空問整備は設備面でのハザード防止と共に保護者とのリスク概念の共有といった運用面の確立が重要であると結論付けられた。
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