Project/Area Number |
20928010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
医学Ⅰ-C(薬学Ⅲ)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
河添 仁 Ehime University, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2008: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | がん化学療法 / 悪心・嘔吐 / 支持療法 |
Research Abstract |
がん化学療法における悪心・嘔吐に対する有効な支持療法としてセロトニン受容体拮抗薬(5-HT3RA)が存在するが、「遅延性の悪心・嘔吐」に対する有効性は限られ、デキサメタゾン(DEX)が使用される場合がある。また、悪心・嘔吐のリスクが「中等度」であるカルボプラチン(CBDCA)を用いたがん化学療法に対する支持療法のエビデンスは少ない。そこで、我々はCBDCAの悪心・嘔吐に対する有効な支持療法の確立を目的に、後ろ向き研究として「5-HT3RA初日のみ投与+DEX初日~3日間連日投与(DEX days1-3)」群と「5-HT3RA+DEX初日のみ投与(DEX day1)」群の比較を行った。 対象は2006年1月~2008年12月の間に、愛媛大学医学部附属病院において、CBDCAを投与された入院患者とし、診療記録から患者背景、併用された制吐剤、食事摂食状況、及び悪心・嘔吐などに関するデータを抽出した。制吐効果の指標として、食事摂取量及び悪心・嘔吐の強度を3段階に分類して評価し、それぞれ「摂食スコア」及び「悪心・嘔吐スコア」とした。なお、本研究は患者個人情報及びプライバシーの保護に配慮したデータの取り扱いを行った。 調査対象とした症例は「DEX days1-3」群と「DEX day1」群でそれぞれ25例と37例であった。CBDCA投与初日~5日間の「摂食スコア」と「悪心・嘔吐スコア」の合計点は有意な相関を示し、「摂食スコア」が制吐効果の指標となることを確認した。CBDCA投与2~5日間の「摂食スコア」と「悪心・嘔吐スコア」の平均値において、「DEX days1-3」群と「DEX day1」群に有意差はみられなかった。今回、症例数の少なさから、「遅延性の悪心・嘔吐」に対するデキサメタゾンの有用性を証明することはできなかったが、今後、症例数の追加および前向き研究を検討したい。
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