Project/Area Number |
20928011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
医学Ⅰ-C(薬学Ⅲ)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
河原 昌美 Kanazawa University, 附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥360,000 (Direct Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2008: ¥360,000 (Direct Cost: ¥360,000)
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Keywords | 卵巣がん / 筋肉痛 / 化学療法 |
Research Abstract |
研究目的:卵巣がん患者で化学療法を施行されたあとに筋肉痛を訴えることがあり、その発症原因と効果的な対処法や予防法について検討することを目的とした。 研究方法:2005年10月から2008年9月までの期間に金沢大学附属病院産科婦人科でTJ(パクリタキセル+カルボプラチン)療法、もしくはDJ(ドセタキセル+カルボプラチン)療法を施行された卵巣がん患者を対象として、筋肉痛および関節痛発症の有無を調査した。筋肉痛や関節痛を訴えた患者では、化学療法前後における臨床検査値のうち、筋肉痛と関連すると考えられるクレアチンキナーゼ値、電解質値および肝酵素値の変動と、疼痛の発現時期、部位、症状持続期間、重症度についても調査した。さらに、筋肉痛に対して薬剤が処方された患者については、その効果を確認し、予防法、対処法についても検討した。 研究成果:TJ療法では86%、DJ療法では36%の患者に筋肉痛や関節痛が発現しており、いずれも1コース目からの発現が多かった。疼痛は化学療法後3日目より発現し平均4日間継続していた。発現部位は下肢に多く見られた。筋肉痛および関節痛が発現した前後に5%以上の検査値変動を認めた割合は、クレアチンキナーゼ値で40%、乳酸脱水素酵素値で35%であった。また、DJ療法に比べ、TJ療法で筋肉痛、関節痛の副作用が高頻度であったが、いずれも非ステロイド性消炎鎮痛剤の内服あるいは湿布薬貼付で改善した。筋肉痛を発症する危険因子を統計解析で明らかにすることはできなかったが、化学療法の反復によるものではなく、初回から引き起こされていることがわかった。したがって、化学療法が予定される患者には事前に筋肉痛が発症する可能性があることと、鎮痛剤が効果的であることを説明することで、不安を軽減し、すみやかな対処ができると考えられた。
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