高次元神経力学系および大規模ネットワークにおけるノイズ誘起発火現象の解析
Project/Area Number |
20F40017
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Review Section |
Basic Section 13040:Biophysics, chemical physics and soft matter physics-related
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中尾 裕也 東京工業大学, 工学院, 教授 (40344048)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHU JINJIE 東京工業大学, 工学院, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2020-11-13 – 2023-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2022: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | 確率共鳴 / fast-slow系 / 弛緩振動 / 位相縮約 / 同期現象 / Koopman作用素 / 漸近位相・振幅 / 非線形振動 / 確率振動 / コヒーレンス共鳴 |
Outline of Research at the Start |
実現象の多くは確率的であり、数理的には確率過程としてモデル化される。確率過程の最適経路の理論は、物理学における経路積分法とも関係が深く、確率的な現象を理解する上で重要な役割を果たす。本研究では、神経細胞やその多体結合系の高次元の数理モデルを対象に、確率過程の最適経路の理論を用いてノイズ誘起発火現象を解析する。この研究により、確率過程の閾値通過に関する基礎的な定式化を行い、実世界の確率現象の理解に役立てる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
ノイズ誘起発火現象の解析を中心に、今年度は以下のような研究を実施した。
(i) 神経細胞のバースト発火の数理モデルであるヘッジホッグバスターに対してノイズを作用させた際に生じる自己誘起確率共鳴(Self-induced stochastic resonance, SISR)現象を解析した。昨年度の研究で提案した平均初通過速度のマッチング条件を用いて、確率的なノイズ誘起軌道を予測し、様々なノイズの強さに対して確率的な周期軌道を得た。軌道の遷移位置はノイズ強度に対して階段状の依存性を示し、それは確率的な周期軌道のバースト数および軌道の周期の段階的な変化として現れることを示した。また、ノイズ強度ががステップ間の境界付近にある場合には、複数のモードの混合した振動が観測された。さらにノイズが強い場合には、確率的な振動停止現象が生じることも確認した。得られた結果は国際学術誌にて論文を公表した。
(ii) SISR現象によってノイズ誘起振動を起こす興奮系のコヒーレントな振動を近似するようなリミットサイクルを持つハイブリッド力学系を導出する方法を確立した。さらに、このハイブリッド系のリミットサイクルの位相縮約を行い、次元削減された有効な位相方程式を導出した。これを、周期的な強制外力を受けるSISR系と、2つの結合したSISR系に適用した。モンテカルロシミュレーションにより、周期的な外力に対する引き込み同期や、2つの結合系の相互同調と位相スリップを定量的に予測できることを確認した。得られた結果は国際学術誌にて論文を公表するとともに国際会議にて発表した。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(3 results)
Research Products
(11 results)