Project/Area Number |
20H00021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 3:History, archaeology, museology, and related fields
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松井 敏也 筑波大学, 芸術系, 教授 (60306074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森谷 朱 東北歴史博物館, 学芸部, 学芸員・技師 (30808514)
栗本 康司 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 教授 (60279510)
和田 浩 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 課長 (60332136)
天野 真志 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (60583317)
河崎 衣美 奈良県立橿原考古学研究所, 企画学芸部資料課, 主任研究員 (60732419)
長野 克則 北海道大学, 工学研究院, 教授 (80208032)
片山 葉子 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 保存科学研究センター, 客員研究員 (90165415)
建石 徹 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, その他部局等, 東京文化財研究所付 (90345348)
奥山 誠義 奈良県立橿原考古学研究所, 企画学芸部資料課, 総括研究員 (90421916)
及川 規 東北歴史博物館, 学芸部, 研究員 (00754186)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥39,780,000 (Direct Cost: ¥30,600,000、Indirect Cost: ¥9,180,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
Fiscal Year 2020: ¥14,430,000 (Direct Cost: ¥11,100,000、Indirect Cost: ¥3,330,000)
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Keywords | 被災資料 / 震災遺構 / 保存環境 / 発ガス特性 / 環境改質技術 / 保存科学 / 被災施設 / 環境管理 / 保存活用 / 脱臭技術 / 環境制御 / 空気質 / 改質 / 脱臭 / 三次元計測 / 安定化 |
Outline of Research at the Start |
被災し、物性が変わってしまった資料の現状の収蔵及び活用状況の調査と震災遺構のモニタリングを行い、その劣化の特性を把握することによって、被災資料に特化した保存理論の確立を目指すものである。『被災資料とは科学的にどのような状態であるのか』そして『安全に保存活用するために必要な科学的データを得る』が学術的問いになる。被災資料の物性の変化と汚染物質による影響の抑制、そして安全な保存環境の創出などに係る研究を行なう。
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Outline of Annual Research Achievements |
中四国九州保存科学研究会との合同研究会を実施し、九州北部豪雨や各県の取り組みなどの意見交換を行なった。また土石流被災家屋保存公園や火砕流での被災車両の見学を実施し、その保存状態を観察した。被災資料の一次保管として多用される中性紙保存箱の調査も実施し、その空気環境の推移などを検証した。石巻湊二小ではT社製除湿換気装置が設置された倉庫22の夏季(2022年7月, 8月)の除湿状況と室内温湿度安定効果について解析を行った。低湿度化と共に、温度・相対湿度の大きな安定化が図られており、文化財にとって適した湿度に保たれていた。一方、TOC濃度は30μg/m3と閉鎖型倉庫濃度の1/6以下であり、換気の有効性が示された。 被災した資料から発する有害ガスの除去資材としてB型シリカゲルを用いた吸着評価では、アンモニアの吸着には優れるが、トルエンに対してはある程度の吸着能を示すものの効果が限られた。一方、A型シリカゲルは、これら何れに対しても高い吸着能を示し優れた除去資材と判断出来た。大雨の影響を受け水損文書類のレスキュー作業を実施している博物館の協力を得て、水損文書の乾燥剤凍結乾燥による乾燥と脱臭を促進する研究を進めている。これまでに2~6ヶ月程度の乾燥期間で乾燥と脱臭の効果が得られることを確認した。 石巻市では震災遺構の展示担当者にヒアリング調査を実施し、遺構や被災資料の保存活用状況について情報収集を行った。地域を主体とする被災資料救済・保存の調査をおこない、被災時における救出資料の取り扱いを検証した。それらを踏まえて活動過程における課題を抽出して日本における被災資料保存・継承活動の現在地点について整理することができた。また、文化財のデジタルデータを活用した災害対策シミュレーション研究を実施した。『日本災害資料集』を活用し、過去の災害及びそれへの対応に関する諸情報を収集・整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
出張などの制限がなくなりつつあり、関連資料収集の成果も上がり、被災地域の被災施設ならびに資料の保存状態調査も順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
被災した資料、施設のモニタリングを計測して実施するほか、新たに導入した大容量フードのによる空気質改質の評価を行なう
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