Project/Area Number |
20H00088
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 8:Sociology and related fields
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
津田 博史 同志社大学, 理工学部, 教授 (90450163)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 雅和 千葉工業大学, 社会システム科学部, 教授 (00462169)
片桐 英樹 神奈川大学, 工学部, 教授 (40325147)
西出 勝正 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (40410683)
蓮池 隆 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50557949)
中妻 照雄 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (90303049)
一藤 裕 長崎大学, 情報データ科学部, 准教授 (90590274)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥44,720,000 (Direct Cost: ¥34,400,000、Indirect Cost: ¥10,320,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,360,000 (Direct Cost: ¥7,200,000、Indirect Cost: ¥2,160,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,100,000 (Direct Cost: ¥7,000,000、Indirect Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2021: ¥8,710,000 (Direct Cost: ¥6,700,000、Indirect Cost: ¥2,010,000)
Fiscal Year 2020: ¥10,530,000 (Direct Cost: ¥8,100,000、Indirect Cost: ¥2,430,000)
|
Keywords | 観光科学 / 観光ファイナンス・観光経済 / データサイエンス / AI / 価値評価 / 人流の予測 / 選択意思決定法 / 観光地の魅力度 / マルチエージェントシミュレーション / 観光経済・ファイナンス / 機械学習 / シミュレーション分析 / 観光ファイナンス / 最適観光ルート / 人流の可視化 / 人流測定 / 観光経済 / 持続可能性 / 観光ルート |
Outline of Research at the Start |
本研究課題の核心をなす学術的、実用的な「問い」は「観光産業の活性化,持続可能性」である。本研究は、地域観光の政策実行主体である自治体や、観光協会や商工会議所、ホテルなどの宿泊施設事業者が、データに基づいた合理的な観光政策、観光産業活性化、事業経営を実施するために、旅行者ニーズに合った観光産業の高度化を支援するためのデータ解析理論、データ解析技術、数理システムを研究し、その研究成果を実装したシステムを開発することである。加えて、観光地や観光施設などの価値評価方法、観光地の活性化方法、観光施設、宿泊施設の経営のリスク評価方法、及び、持続方法の研究を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年の春の大型連休では4年ぶりに行動制限が不要となる中,各地の観光地は,観光客が増えて賑わいを取り戻した.さらに,2023年5月8日以降,新型コロナウィルスCOVID-19感染症がインフルエンザなどと同じ5類に移行した結果,国内外から多くの観光客が各観光地に押し寄せてきている.コロナの影響による3年間にわたる国内外の観光客の激減による収入減とインフレによる人件費,石油価格の上昇などのコストアップにより,観光地や観光施設,宿泊施設の経営の持続可能性の重要性が問われている.すなわち,研究課題の核心をなす学術的,実用的な「問い」は「観光産業の持続可能性」である.2023年度の研究実績は,①主として,京都市,長崎市,横浜市の観光に関連する公的データ,自治体などのオープンデータ,モバイルデータをはじめとした多様なデータの収集を行った.加えて,インフレによる人件費,石油価格の上昇などのコストアップによる観光地の経済的な影響を調べるため,大阪府,京都府,兵庫県,滋賀県,奈良県の飲食店,旅館などの宿泊施設,小売店の財務データ,倒産データを収集した.また,モバイルデータの収集に関しては京都市,長崎市を対象とした.②京都市を訪問する日本人観光客の嗜好・興味に応じた観光地,観光施設単位での魅力度ランキングを推定し,実際の人気観光地の訪問客数のランキングと比較することによって,観光地,観光施設の魅力度の季節変化に関して有意義な知見が得られた.③今後,コロナ禍が終息した際にオーバーツーリズム問題が再度,起こらないようにするには観光客が特定の観光地に集中しないように観光客の分散化が喫緊の課題である.京都市の観光地の中で人気があり,観光客数が多い,嵯峨嵐山エリアにおける人流をシミュレーションし,混雑状況の時間的な変化を把握することができた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在では,SNSやインターネット上に観光地に関して説明した多くの情報が溢れ,それらも観光地推薦システムと考えることができる.しかし,観光案内サイトや人によって推薦している場所などが異なっているため,個々の観光客の好みの場所を見つけるのは難しい.これらの問題点を解決するためには,本研究では画像を用いて,コンシェルジュ的なわかりやすい観光地推薦システムを研究,開発を試みている.画像の特徴量は画像の画素ベクトルや画像から抽出されるラベルなど画像から得られる情報全てを指す. スマートフォンのモバイルデータにより観光地間の人流情報を収集することができれば,訪問者数が多いほど観光地は魅力度が高いと定義した場合には魅力度の推定精度を高めることができる。加えて、観光地の混雑度を推定,予測できる。京都市の観光地のモバイルデータに関して,2023年5月8日以降,新型コロナウィルスCOVID-19感染症がインフルエンザなどと同じ5類に移行した結果,国内外から多くの観光客が各観光地に押し寄せてきていることから,まとまった件数のデータ収集が可能となり始めた。収集したデータに基づき観光地の人数の時系列変動パターンを捉えたモデルを提案し、当モデルより観光地の人数の予測を行い、良好な予測結果が得られた.今後,国内外から多くの観光客が京都市に押し寄せることが予想されることから,オーバーツーリズム問題が再度,起こらないようにするには観光客が特定の観光地に集中しないように観光客の分散化が喫緊の課題である.従って,政策により観光客の分散化をさせた場合,どのように人流が変化するかを事前に予測するために,京都市の人気観光エリアの嵯峨嵐山地域を分析対象にマルチエージェントシミュレーションモデルを開発し,シミュレーション実験を実施した.
|
Strategy for Future Research Activity |
京都市では,今後,コロナ禍が終息した際にオーバーツーリズム問題が再度,起こらないようにするには観光客が特定の観光地に集中しないように観光客の分散化が喫緊の課題である.京都市の観光地における人流をシミュレーションし,ある観光地が混雑し始める前に混雑を検知し,混雑を検知した観光地を避けて最適な観光ルートを推定できるアルゴリズムの開発に取り組んだ結果,これまで京都市の最適観光ルート推定において制約条件として時間・費用を考慮したのみであったが,ある観光地が混雑し始める前に混雑を検知し,混雑を検知した観光地を避けて最適な観光ルートを推定可能となった.今年度は,新型コロナウィルスCOVID-19感染症がインフルエンザなどと同じ5類に移行した結果,国内外から多くの観光客が各観光地に押し寄せてきていることから,モバイルデータの分析結果により,コンシェルジュ的なきめ細かなデータ駆動型の「観光支援システム」を開発することが可能となるであろう.本研究は,観光者自身の興味・嗜好に合う観光地を多く含む観光ルートの推定や予測に関して,理由を説明してコンシェルジュ的にアドバイスすることが可能な「観光支援システム」のアルゴリズム,技術を確立することが目的の1つであることから,深層学習の応用,自然言語処理技術,画像処理技術の応用を推進していく.加えて,京都市の観光エリアの収集データに基づくマルチエージェントモデルによるシナリオ分析を用いたシミュレーション実験を行い,オーバーツーリズム問題解消に向けた施策を提案し,その有用性について検証を行っていく予定である.分析結果に基づく行動ルールによるマルチエージェントシステムを構築する.より詳細な回遊行動分析,観光者の行動モデルの見直し,回遊性向上ための施策提案,施策の効果検証などをマルチエージェントシミュレーションにより行う予定である.
|