Project/Area Number |
20H00140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 14:Plasma science and related fields
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
千徳 靖彦 大阪大学, レーザー科学研究所, 教授 (10322653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城崎 知至 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (10397680)
藤岡 慎介 大阪大学, レーザー科学研究所, 教授 (40372635)
西内 満美子 (高井満美子) 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光量子科学研究所 光量子ビーム科学研究部, 上席研究員 (70391315)
岩田 夏弥 大阪大学, 高等共創研究院, 准教授 (70814086)
佐野 孝好 大阪大学, レーザー科学研究所, 准教授 (80362606)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥45,370,000 (Direct Cost: ¥34,900,000、Indirect Cost: ¥10,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,970,000 (Direct Cost: ¥6,900,000、Indirect Cost: ¥2,070,000)
Fiscal Year 2021: ¥11,960,000 (Direct Cost: ¥9,200,000、Indirect Cost: ¥2,760,000)
Fiscal Year 2020: ¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
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Keywords | 高エネルギー密度科学 / ペタワットレーザー / プラズマ物理 / プラズマシミュレーション / メゾスケールプラズマ / 高強度レーザー / メゾスケール物理 / プラズマ粒子シミュレーション / レーザーイオン加速 / 実験室宇宙物理学 / 実験室宇宙物理 / メゾスケールプラズマ物理 |
Outline of Research at the Start |
本申請研究では、最先端のプラズマシミュレーションコードを活用し、ペタワットレーザーが作り出すメゾスケールプラズマの形成過程の理論モデルを構築する。固体の加熱実験を行い、構築した理論を検証し高精度化する。太陽コアに匹敵する高密度・高活性プラズマを制御し、プラズマが内包する機能を効率的に引き出す指針を与える。それにより宇宙線のべき乗分布形成やkeV黒体輻射体など宇宙物理学、高速電子・高価数イオン・X線・ガンマ線などの複合量子線源の開発研究、核融合学に必要な中性子源開発など、高エネルギー密度科学の進展に貢献する。また、最先端の研究に大学院生・若手研究者を参加させ、次世代の研究者として育成する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ペタワットレーザーは、物質をピコ秒という時間スケールで、太陽コア付近と同等な状態まで加熱できる可能性を持つ光である。ペタワットレーザーの加熱は、強い非線形性を持つ吸収過程と、急峻な圧力勾配を伴う高密度プラズマ中でのエネルギー輸送過程の両者が複雑に絡み合う現象であり、運動論的領域と流体的領 域の間のメゾスケール現象と捉えることができる。本研究は、パルス幅ピコ秒のkJ級レーザー(LFEX)とパルス幅フェムト秒の超高強度レーザー(J-Karen-P)の二つの異なる特性を持つペタワットレーザーを使ってメゾスケールの非平衡高エネルギー密度プラズマ物理学を開拓する。本年度はピコ秒レーザーLFEXの加熱計測に必要なモノクロX線計測カメラを導入し加熱実験を行った。また、J-Karen-Pレーザーの実験では加熱した固体ターゲットから輻射されるX線を計測するための計測装置を導入し実験を実施した。理論・シミュレーション研究では、強磁場下における円偏光波ホイッスラー波によるプラズマの超高速加熱過程の解明及び、LFEXのような大スポットを持つ相対論的高強度レーザーによる薄膜ターゲットの加熱過程を解明し論文として発表した。また、加熱中の電子分布構造の時間発展に関する理論を構築した。多次元プラズマ粒子シミュレーションのデータ解明を進めた。大スポットの相対論的レー ザープラズマ相互作用の研究は、米国リバモア国立研究所の理論・実験グループとの共同研究として行い、世界最大エネルギーを持つレーザーシステムを使った実験提案を行い、実験が採択されている。来年度は実験データの解析を進める予定である。今年度の成果は、宇宙における高温プラズマ形成の謎や高エネルギー粒子加速機構の解明、また、効率的レーザーイオン加速の実現に貢献するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度前半は、コロナ禍で国内での移動や海外への渡航は制限されていた。しかし、Zoomなどオンライン会議を使い、共同研究者との議論を進めることで、その影響を最小限に抑えることができた。また、9月以降はオンサイト会議が開催され、米国物理学会に参加し研究成果を発表するなど、共同研究成果を続々と論文として発表するとともに、世界最大のレーザー施設での実験提案が採択されるなど、予想を上回る成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
ペタワットレーザーが作り出すメゾスケールレーザープラズマに関する研究を、米国・仏国・ドイツの共同研究者と展開する。特に、米国リバモア国立研究所は世界最大のレーザー施設を有し、そのレーザーを使った実験提案が採択され2023年7月に実験予定である。最先端のレーザーを使った実験データによって、これまで構築した理論モデルやシミュレーション結果の検証を行う。レーザー科学研究所やQST光科学研究所においても、ペタワットレーザーによる高密度プラズマ加熱の実験を行い、データの取得を行い、論文としてまとめる。さらに、実験・シミュレーションのデータに対してベイズ推定などによる多変量解析を行い、実験条件に対して、加速粒子のエネルギー依存性や加熱温度などの予測精度を向上する。求めた依存式を実験で検証し高精度化すると共に、最適な実験条件を提示し、実験を行う。理論・シミュレーション研究では、輻射輸送のモデルを拡張し、ガンマ線の吸収過程として陽電子・電子対生成過程などのQED過程を開発したが、東欧ELI施設などでの実験提案をフランスボルドー大学、米国カリフォルニア大学サンディエゴ校と共同で提案し、モデルの実験検証を行う予定である。
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