Project/Area Number |
20H00144
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 14:Plasma science and related fields
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
長坂 琢也 核融合科学研究所, 研究部, 教授 (40311203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福元 謙一 福井大学, 附属国際原子力工学研究所, 教授 (30261506)
田中 照也 核融合科学研究所, 研究部, 准教授 (30353444)
外山 健 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (50510129)
小林 真 核融合科学研究所, 研究部, 助教 (50791258)
藪内 聖皓 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教 (70633460)
矢嶋 美幸 核融合科学研究所, 研究部, 助教 (70749085)
山内 有二 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (80312388)
申 晶潔 核融合科学研究所, 研究部, 助教 (80824747)
片山 一成 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (90380708)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥44,850,000 (Direct Cost: ¥34,500,000、Indirect Cost: ¥10,350,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,660,000 (Direct Cost: ¥8,200,000、Indirect Cost: ¥2,460,000)
Fiscal Year 2021: ¥12,350,000 (Direct Cost: ¥9,500,000、Indirect Cost: ¥2,850,000)
Fiscal Year 2020: ¥12,350,000 (Direct Cost: ¥9,500,000、Indirect Cost: ¥2,850,000)
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Keywords | 核融合炉ブランケット / 高純度化 / 照射効果 / 析出 / 腐食 / 時効 |
Outline of Research at the Start |
核融合炉ブランケットは炉心プラズマに最も近い位置に設置されるため中性子による放射化が大きく、その重量も約1000トンと大きい。そのため低放射化材料が開発され、放射性廃棄物として処分するのではなく、使用後100年程度の冷却期間を経て再利用することが検討されてきた。これに対し申請者らは、バナジウム合金を用いこれを10年以下にすることを最終目標としている。そのために、候補合金の試作と各種特性評価を行って最適組成を見出すとともに、核融合炉で材料を循環・再利用するためのシナリオを示す。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、10年後の放射能に最も大きく影響する不純物Coの低減に成功した帯溶融精製高純度Vを量産し、合金元素のCrとTiを添加して合金を追加試作した。合金の組成については、これまでに強度、イオン照射、プラズマ照射で絞り込んだものの中でも特に、現行のV-4 mass%Cr-4 mass%Ti合金と同等以上の特性が期待できるV-10 mass%Cr-1 mass%Ti合金を試作した。合金化後のGD-MS分析により低放射化不純物の濃度を測定したところ、Co濃度は0.05 mass ppmであり、核融合炉で使用後10年で再利用できるレベルを保っていたが、Al、Ni、Cuで増加が見られた。このうち、Al、Cuはこれまでの研究により真空溶解で除去可能であることが分かっているため大きな問題とはならないが、NiについてはVが金属になった状態からの除去が難しく、原因と対策について検討中である。 ベルギー材料試験炉BR-2での中性子照射に供する試験片を製作した。中性子照射には3本のサブキャプセルを装荷できることとなり、そこに引張試験片、衝撃試験片、水素透過試験片、電子顕微鏡試験片を装荷した。合金元素であるCr、Tiの効果を系統的に明らかにするため、これまでに絞り込んだ候補組成のみではなく、V-(4~12) mass%Cr-(0~4) mass%Tiの広範囲の組成の試料を照射キャプセルに組み込んだ。バナジウム合金は照射中に酸化すると酸化による固溶硬化が大きくなり、照射硬化の影響が評価しがたくなるため、キャプセルにはバナジウム合金試料のみを封入した。バナジウム合金専有でかつ、体積の大きな衝撃試験片を装荷したキャプセルの中性子照射は近年なく非常に貴重であり、今後大きな成果が見込まれる。 中性子照射及び腐食試験以外の研究項目については、追加的な実験を実施するとともに、研究のまとめを開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
合金試作では、核融合炉で使用後10年以内に再利用するために最も影響が大きいCoの低減では目標レベルを達成したが、Al、Ni、Cu不純物の制御は未だ完全では無いので原因の分析と改善のための追加的な合金試作が必要であり、これは追加的な実施項目となるため時間を要する。 遅れていた中性子照射は1回に集約できるだけの照射体積を確保し、試料の準備を完了できた。計画最終年度(令和6年度)までには中性子照射が終わりデータが得られる見込みとなったので、遅れはほぼ挽回できたと考えられる。 遅れていた液体リチウム腐食実験については、装置整備は完了したが予備実験で想定以上の窒素不純物混入が確認された。窒素は組成の変化以上に腐食に大きな影響を及ぼすため、リチウム純度及び窒素混入の改善に取り組んでいるところである。対策は終了しており、令和5年度当初から候補組成のバナジウム合金を用いた本格的な腐食実験を開始できる見込みである。 以上、大部分のテーマは順調に進んでいるものの、リチウム腐食実験で予定どおり進んでいないところがあるため、総合的にはやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
最も試料体積を要する中性子照射用を含め、本研究で使用する合金試作と試験片準備は大部分終了した。今後は研究の進捗に応じて不足する合金、試験片を追加試作する。さらに、令和4年度に明らかになったNi等の不純物混入を抑えた合金試料試作にも取り組む。不純物挙動を理解し、小規模試作で得られた高純度化技術を工業規模の製造に応用するためには、偏析係数(バナジウムの液相と固相との間の不純物の分配係数)等の物理パラメータが必要となる。これまでにCoの偏析係数を評価してきたが、他の不純物における解析も実施する。 中性子照射試験については、過去に本研究と同様、あるいは比較検討に有用な組成の合金が既に照射、保管されているので、その評価を開始して、最終年度に予定する本研究で実施した中性子照射の照射後試験に備える。 非照射での機械特性評価、加速器イオン照射、プラズマ照射は順調であり、これまでの成果のまとめを進める。令和4年度は特に、1回に集約した中性子照射を補完するために、加速器イオン照射実験を実施したのでその解析を完了し、学会等で発表し、論文としてまとめ学術雑誌への投稿を準備する。遅れているリチウム腐食実験については、これまでに他の特性試験結果で候補組成を絞り込んでいるので、それらの評価に集中することで実験回数を絞り挽回できる見込みである。 最終年度である令和6年度における成果の統合に向けて、使用後10年以内の再利用だけでなく、それで可能となる核融合炉の運用そのものの変革について検討する。そのために研究会を実施してこれまでの成果のまとめをする。成果については、国内外の学会、学術雑誌で積極的に発表をする。
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