Project/Area Number |
20H00154
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 15:Particle-, nuclear-, astro-physics, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 俊則 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 教授 (90220011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 敏幸 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教 (20376700)
内山 雄祐 神戸大学, 理学研究科, 特命助教 (90580241)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥44,720,000 (Direct Cost: ¥34,400,000、Indirect Cost: ¥10,320,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
Fiscal Year 2021: ¥19,240,000 (Direct Cost: ¥14,800,000、Indirect Cost: ¥4,440,000)
Fiscal Year 2020: ¥14,430,000 (Direct Cost: ¥11,100,000、Indirect Cost: ¥3,330,000)
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Keywords | レプトン普遍性 / 液体キセノン測定器 / パイ中間子崩壊 / PSI / MEG II 実験 / MEG II実験 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、素粒子物理学の基本原理の一つであるレプトン普遍性(レプトンユニバーサリティ)について、世界で初めて理論精度に匹敵する実験精度でパイ中間子の崩壊からその精密検証を行う次世代実験の実現を目指すものである。本研究グループが中心となって開発・運用してきた液体キセノン測定器をさらに改良することにより、大量のパイ中間子の崩壊を測定して統計誤差を改善すると共に、系統誤差の大幅な改善を実現する。プロトタイプ検出器を用いたビーム試験により目標とする系統誤差が達成可能であることを証明し、大強度パイ粒子ビームを持つスイス・ポールシェラー研究所に、次世代実験の提案を行っていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、主に以下の4つの研究を実施した。(1)MEG II 実験の液体キセノン測定器を用いてビーム試験による性能評価を実施し、シミュレーションとの比較により、新実験の測定器のデザインの最適化を実施した。(2)新実験に使用する光センサーの候補であるMPPCについて試験を行い、その特性の理解を進めた。(3)陽電子入射面の物質量を削減したプロトタイプ測定器についてさらにデザインの検討を行った。(4)米国・カナダを中心とする研究グループと実験全体の概念設計をさらに進め、最終的にPSI研究所に実験プロポーザルを提出した。以下、それぞれの研究についてその概要を順に記す。 (1)ビームによる測定器性能試験は、新型コロナウィルス感染の拡大を受けて実施場所であるスイスPSI研究所への渡航と現地での研究が制限されたため、翌年度の実施へ計画を変更した。翌年度は制限が緩和され、計画通り性能試験を実施して新実験測定器デザインの最適化を進めることができた。 (2)半導体光センサーMPPCは、光子検出効率が低温、ビーム環境下で減少するという問題が起こっており、この問題の原因を調査するために小型試験装置を準備してセンサー単体での試験を実施した。まだ原因の究明には至っていないが、定期的なアニーリング作業により検出効率を復活させて実験を実施できることがわかった。 (3)プロトタイプ測定器の設計はほぼ完成し、今後必要な部品・材料の検討に入る。 (4)国際研究グループとの共同による実験全体の概念設計は、予想以上に進展した。特にアクティブターゲットの検討が大きく進み、最終的に、新実験を実施するPSI研究所への実験プロポーザルを完成させるに至った。2022年1月に実験プロポーザルはPSIの国際研究委員会により承認され、PSIでの実験に向けて本格的な準備を始めることになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染の拡大により一部の研究を翌年度に繰り越して実施することになったが、新型光センサーなどコンポーネント技術の理解が進み、新実験用液体キセノン測定器とアクティブターゲットの概念設計が大きく進展した。これにより、米国・カナダの研究グループと共同で実験プロポーザルを完成させ、PSI研究所に提出するに至った。その結果、2022年1月にPSIの委員会により実験の実施が承認され、本研究の当初の目的であった「新実験の設計・提案」を達成することができた。今後は新実験の実施に向けて、詳細設計のための開発研究と実験装置の建設準備へと移ることになる。
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Strategy for Future Research Activity |
新実験のプロポーザルが完成して、PSI研究所から実験の実施が承認されたため、今後は新実験の実施に向けて、詳細設計のための開発研究と実験装置の建設準備へと移ることになる。新実験の技術的な詳細をさらに詰めるため、プロトタイプ測定器によるビーム試験やシミュレーションによる検討を実施していく。
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