Project/Area Number |
20H00257
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 22:Civil engineering and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小熊 久美子 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (00361527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春日 郁朗 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (20431794)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥44,850,000 (Direct Cost: ¥34,500,000、Indirect Cost: ¥10,350,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,580,000 (Direct Cost: ¥6,600,000、Indirect Cost: ¥1,980,000)
Fiscal Year 2022: ¥11,310,000 (Direct Cost: ¥8,700,000、Indirect Cost: ¥2,610,000)
Fiscal Year 2021: ¥11,830,000 (Direct Cost: ¥9,100,000、Indirect Cost: ¥2,730,000)
Fiscal Year 2020: ¥13,130,000 (Direct Cost: ¥10,100,000、Indirect Cost: ¥3,030,000)
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Keywords | 紫外発光ダイオード(UV-LED) / 消毒 / 水処理 / 下水再生処理 / 薬剤耐性 / 浄水処理 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、紫外発光ダイオード(UV-LED)を光源とする紫外線処理に着目し、飲用水処理と下水再生処理のそれぞれへの適用を検討する。飲用水へのUV-LED適用では、実験室規模の基礎的知見が蓄積されつつあることを踏まえ、集落や家庭での分散型処理を想定した実証試験を行う。一方、下水再生処理へのUV-LED適用は、着眼が新しく先行研究が乏しいため、実験室規模の基礎研究を中心に展開する。最後に、UV-LED素子や装置を開発するサプライサイド産業とUV-LED水処理技術にニーズをもつデマンドサイド産業を大学がつなぐ産学連携体の形成を働きかけ、日本が当該分野で世界をけん引する礎を築く。
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Outline of Annual Research Achievements |
引き続き、分散型の飲用水処理技術としてUV-LED装置を利用することを想定し、水質、気候、社会的背景等の異なる多地点での実証試験を計画及び実施した。試験候補地として、これまでに研究連携実績がある協力者の助力を得て、ベトナムの一般家庭、カナダの遠隔地集落を挙げた。ただし、新型コロナウイルス感染症の世界的流行をうけ、ベトナムについては、過去にハノイで実施した蛇口取り付け型(Point-of-use, POU型)装置の一般家庭における実証データの再検証を軸に、必要に応じて2023年度以降に追加調査を実施することとした。またカナダについては2023年度内の試験実施を目指し、現地研究協力者とともに準備を再開した。さらに、2022年度後半には、新たな実証候補地としてタイの水産養殖試験場に着眼し研究協力者との調整に着手した。一方、国内では、原水水質や気候の異なる3地点で実証試験を実施し、うち2地点は最大2年間におよぶ試験を完了した。得られた実証データを現地の関係者(行政担当者、集落住民など)に開示し意見交換を定期的に行った。 下水再生処理への展開では、薬剤耐性菌及び薬剤耐性遺伝子への紫外線照射の影響について実験室規模で調査した。紫外線照射によりプラスミドの水平伝達率が有意に変化するか、基礎的実験を継続した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度および2021年度は新型コロナウイルス感染症の影響により海外での実証を一切実施できず、計画より遅れを取ったが、国内での実証試験を3カ所で実施し一定の知見を得た。また2023年度の本格実施へ向けて海外の研究協力者とともに実証試験の計画を具体化した。
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Strategy for Future Research Activity |
小規模分散型の飲用水処理技術として、UV-LED水処理装置の性能を実証規模で調査する。具体的には、集落水道や宅内給水栓など実際の適用場に近い環境において、長期的な実証試験を継続する。UV-LED装置を設置して数カ月から1年程度の長期連続試験を行いながら、月に2回程度の頻度で試料を採水・分析し、微生物不活化性能の経時変化や、装置内汚れの発生などを追跡する。これまでに国内多地点で実施した実証試験のデータを統合的に解析して、各地点に固有の現象と普遍的な現象を整理する。社会状況が整い次第、海外での実証試験を実現する。 下水再生処理へのUV-LED適用の有効性を検討するため、UV-LED照射による薬剤耐性菌および薬剤耐性遺伝子の制御について、実験室規模の基礎実 験を行う。具体的には、薬剤耐性遺伝子を導入した形質転換大腸菌にUV-LEDを用いて紫外線を照射し、薬剤耐性大腸菌の紫外線耐性や、非耐性大腸菌への薬剤耐性遺伝子伝播効率の変化などを調べる。照射する紫外線の波長を変化させたり、照射する紫外線エネルギー量を多段的に変化させたりすることで、それら照射条件による影響を明らかにする。 UV-LED技術に関する勉強会や意見交換の場を設ける。研究成果を積極的に社会に発信し、特に実証試験に協力した住民や自治体に知見を還元する。
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