Project/Area Number |
20H00258
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 22:Civil engineering and related fields
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本田 利器 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (60301248)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 充良 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00302191)
小野 祐輔 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (00346082)
倉内 文孝 岐阜大学, 工学部, 教授 (10263104)
高橋 良和 京都大学, 工学研究科, 教授 (10283623)
大西 正光 京都大学, 工学研究科, 教授 (10402968)
風間 基樹 東北大学, 工学研究科, 教授 (20261597)
庄司 学 筑波大学, システム情報系, 教授 (60282836)
野津 厚 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 領域長 (60371770)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥41,990,000 (Direct Cost: ¥32,300,000、Indirect Cost: ¥9,690,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,530,000 (Direct Cost: ¥8,100,000、Indirect Cost: ¥2,430,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,750,000 (Direct Cost: ¥7,500,000、Indirect Cost: ¥2,250,000)
Fiscal Year 2021: ¥10,140,000 (Direct Cost: ¥7,800,000、Indirect Cost: ¥2,340,000)
Fiscal Year 2020: ¥11,570,000 (Direct Cost: ¥8,900,000、Indirect Cost: ¥2,670,000)
|
Keywords | 危機耐性 / レジリエンス / 耐震設計 / 地震災害 / システムリスク / ライフライン / リスク評価 / 耐震 / リスク |
Outline of Research at the Start |
インフラの「危機耐性」の評価するためには,被災後のレジリエンスの本質を踏まえ,インフラシステムの社会的影響まで考慮して評価できる理論体系が必要である.本研究では,被災状態の支配的メカニズムの変化を「被災局面の遷移」と捉える考え方を導入し,耐震性能を対象に,インフラの危機耐性の評価手法体系を構築する. 数値解析や事例分析に基づき,地震外力の設定,構造物の損傷シナリオや道路ネットワークやライフラインの被災局面を定義する.そして,スケール間の相互作用や復旧時の社会の対応をモデルし,マルチスケールシステムとしてのインフラの性能を評価する.また,インフラの危機耐性の定量的評価方法を構築する.
|
Outline of Annual Research Achievements |
危機耐性の被災局面の定義と,対応する事象のシミュレーション手法の開発を継続した. (1) 地震外力の評価については,変分オートエンコーダを用いた地震動合成手法の安定性を高めた手法を構築した.また,能登半島地震の発生を踏まえ,輪島港・飯田港において余震観測、地震動の事後推定を行うとともに,港湾施設の被災状況を詳細に調査し、危機耐性の観点からの分析を加えた. (2) インフラ構造物の被災局面の同定と評価については,ダブルリング摩擦滑り面とロッキング要石を有するアーチ型コンクリート組積造橋脚を提案し実橋梁の約1/9スケールの橋脚模型を用いた載荷実験や 3次元有限要素動的解析を行い,その性能を定量的に示した.また,液状化による致命的被害形態について,重要施設,ネットワーク施設,液状化による表層地盤を対象に危機耐性を考慮する上での課題を同定した. (3) インフラシステムの被災局面の同定と評価については,道路ネットワークが電力等のインフラネットワークとの相互依存性が高まることを考慮し,ネットワークの相互依存構造を想定し,甚大なネットワークの機能低下が生じる条件を検討した.また,インフラ・ライフライン構造物のレジリエンスデザインの枠組みを提案し電力施設の地震による供給支障からの復旧プロセスのモデル化とそれに基づく試算事例を示した. (4)マルチスケールでの被災局面の評価については,システムを形成するサブシステムどうしの相互作用を考慮したモデルに基づき,システムの階層性を考慮した協調的なリスク対応が生じるための条件を分析した.また,災害対応時の官民問題に焦点を当て,協定や契約を巡る課題を明らかにするとともに,同定された課題に対するアプローチの検討を行うとともに,官民関係におけるインセンティブの考察から,望ましいリスク分担の仕組みについて分析した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外の研究者との連携の成果のとりまとめの出版が遅れたため,全体の実施に遅れが生じた.
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究で考える様々なスケールにおける危機耐性の被災局面の定義とその評価方法をとりまとめる.(1) 地震外力の評価については,地震発生メカニズムの「局面」に対応した震源モデルを設定する手法の構築を継続する.開発した生成AIによる手法を活用し,実用性のある手法として取りまとめる.(2) インフラ構造物の被災局面の同定と評価については,開発した手法を例に,RC構造物対象として,深刻な被災局面の設定条件を考慮した設計手法や性能の検証法をとりまとめる.(3) インフラシステムの被災局面の同定と評価については,道路ネットワークとライフラインネットワークの検討を行う.道路ネットワークの他のライフラインとの相互作用なども考慮したシミュレーションおよびライフラインネットワークの復興の事例分析にもとづき,危機耐性の観点からのライフラインシステムのリスク評価方法を整理する.(4)マルチスケールでの被災局面の評価については,システムを形成するサブシステムどうしの相互作用を考慮したモデルに基づき,システムの階層性を考慮したテイルリスクの定量的な評価法を構築する.(5) 南海トラフを想定したインフラの危機耐性評価への適用について,シナリオを想定した外力を評価し,構造物やライフラインなどのインフラシステムへの影響評価を行う.
|